ホンダのベトナム二輪車市場支配、政府の電化推進で揺らぐ

10月8日 ホンダが独占的地位を占めてきたベトナムの二輪車市場に変化の兆しが生じている。写真は8月30日、ハノイで撮影(2025年 ロイター/Athit Perawongmetha)
[ハノイ 8日 ロイター] - ホンダが独占的地位を占めてきたベトナムの二輪車市場に変化の兆しが生じている。ベトナム政府は電動車両への急速な切り替えを進めており、業界データなどによると国内メーカーのビンファストに追い風となっている。
ファム・ミン・チン首相は7月、化石燃料を使用する二輪車による首都ハノイ中心部への乗り入れを1年後に禁止すると発表。2028年から規制区域を拡大する指示を出した。関係者2人によると、ホンダなどの二輪車メーカーは当局に対し、移行スピードが早すぎるとして開始時期の再考を求める書簡を送ったという。
業界データによると、規制発表を受けた8月のホンダのベトナム売上高は前月比約22%減少。前年比で13%減少した。
ホンダの現地法人はコメントを控えた。
ハノイは大気汚染が世界で最もひどい都市の上位にランクされることもあり、ベトナム政府は新たな対策が必要との姿勢を示している。
市場調査会社モルドー・インテリジェンスによると、ベトナムの二輪車市場は25年に46億ドル、30年には60億ドル規模に達すると見込まれている。二輪車市場を支配するガソリン二輪については、ホンダは昨年、260万台を販売。シェアは80%超に上った。
調査対象となった200人のうち、54%が「次に購入するのは電動二輪」と回答し、ガソリン二輪を選ぶと答えた人は24%にとどまった。