テスラ、9月は欧州4カ国で販売増 競争激化と車種陳腐化で厳しい先行き

10月1日、米電気自動車(EV)大手テスラの9月の欧州新車登録台数(販売台数)は、フランス、デンマーク、ノルウェー、スペインで増加したことが、業界データで明らかになった。写真はテスラのロゴ。2023年10月、カリフォルニア州エンシニータスで撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
Nick Carey Jesus Calero
[ロンドン 1日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラの9月の欧州新車登録台数(販売台数)は、フランス、デンマーク、ノルウェー、スペインで増加したことが、1日公表の業界データで明らかになった。スウェーデンとオランダは減少した。
各国別の前年比を見るとフランスは2.74%増、デンマークは20.5%増、ノルウェーは14.7%増、スペインは3.4%増。一方スウェーデンは64%減、オランダは48%減だった。
販売増に貢献したのは、今年大幅に刷新され、多くの欧州市場で6月に納車が始まった進化版「モデルY」。デンマークでは最も売れ筋となったほか、スペインでも売り上げが60%伸びた。
ただ複数のアナリストは、欧州市場の競争激化に加え、テスラ車全体のラインアップが陳腐化している影響で、テスラの先行きは厳しいとみている。
シュミット・オートモーティブ・リサーチのマティアス・シュミット氏は、幾つかの欧州諸国での販売増加は「上向きに転じる本格的な兆しではなく、あくまで減少トレンドの底打ちを反映している」と分析する。
シュミット氏は、手頃な価格になったモデルYが来年もプラスに寄与してくれる可能性はあるものの、テスラとしては競争がより強まっている市場環境で困難な立場が続くと予想した。
テスラの1-8月の欧州連合(EU)域内と全欧州の販売台数はいずれも前年比で42.9%と32.6%の減少。EUの1-8月のEV総販売台数は24.8%増だった。