三菱自、通期業績予想下方修正 関税影響見直しなどで営業益5割減

8月27日、三菱自動車は、2026年3月期通期の連結営業利益予想を従来の1000億円から700億円に下方修正した。写真は三菱自動車のロゴ。2023年10月都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Maki Shiraki
[東京 27日 ロイター] - 三菱自動車は27日、2026年3月期通期の連結業績予想を下方修正した。営業利益は従来の1000億円から前年比50%減の700億円に引き下げた。米国関税措置の影響を見直したことや競争激化による販売減少や販売費の増加、インフレによるコスト悪化を織り込んだ。修正後の営業利益予想は、IBESがまとめたアナリスト12人の予想平均857億円を下回った。
会見した加藤隆雄社長は、下方修正の理由について、関税コストを吸収するために実施する予定だった値上げや販売奨励金の削減を「想定通りに実行するのが困難」になったと説明。関税による販売減少を挽回するために米国以外の市場でも競争が激化しており、「販売費の増加などが今後さらに収益を圧迫する」と語った。
米国追加関税の影響に関しては、下期に改善に向かうと期待するが、日米で合意した税率15%(従来からの2.5%を含む)がいつから適用されるのかが「少しはっきりしない」と指摘、関税を踏まえた値上げ対策も取りにくいと話した。
米国関税支払い額は「10月以降に緩和する」(加藤社長)と想定した。関税の直接的なマイナス影響額は、従来の300億円から320億円に拡大。その他地域の販売台数減少や販売費増加も利益を190億円押し下げる。通期の純利益予想は従来の400億円から100億円に引き下げた。
通期の小売販売計画は従来の87万8000台から86万9000台へと9000台引き下げた。従来計画から、欧州が1万1000台、豪州が3000台、アセアン地域が2000台下振れる。米国で稼げない分を挽回すべく、他社が豪州やベトナムで値引き攻勢をかけているという。
一方、北米は9000台引き上げた。メキシコでのスポーツ多目的車(SUV)「アウトランダー」などの販売好調を反映した。米国では採算がとれる法人向け(フリート)販売の再開も視野に上積みを狙う。