中国の太陽光設備業界、上期損失が急拡大 供給過剰で価格下落

8月26日、中国の主要な太陽光パネルメーカーの大半は2025年上半期の損失が拡大した。写真は14日、中国寧夏回族自治区霊武市の砂漠にある太陽光発電所でソーラーパネルを運ぶ作業員。中国日報提供(2025年 ロイター)
[北京 26日 ロイター] - 中国の主要な太陽光パネルメーカーの大半は2025年上半期の損失が拡大した。供給過剰や貿易摩擦が影響した。アナリストからは需給均衡に向け再編すれば業界が再び利益を上げられる可能性があるとの指摘が出ている。
ジンコソーラーの純損失は26億元と、前年上半期の8700万元から大幅に拡大。生産能力の拡大、需給の不均衡、貿易障壁の影響で太陽電池モジュールの価格が下落したと説明した。
トリナソーラーは、前年上半期の5億2600万元の黒字から29億元の赤字に転落した。モジュール販売は伸びたが価格が下落した。
JAソーラーは損失が25億8000万元と前年上半期の8億7420万元から大幅に増加した。通威は損失が50億元と5社のうちで最大となり、前年上半期の31億元から拡大した。
こうした中、ロンジ・グリーンエナジー(隆基緑能科技)は純損失が26億元(3億6400万ドル)と前年上半期の52億元から縮小した。
この改善について、華泰証券のアナリストは25日のリポートで「内部管理の強化」がコスト削減や資産評価損の圧縮につながったことと、前倒し需要のために国内の太陽光パネル設置も急増し販売を支えたことを要因に挙げた。
最近、中国政府が太陽光発電装置業界との会合を何回か開催している。デフレを助長するような価格引き下げ競争に対し、当局が取り締まりに本腰を入れていることをうかがわせ、「産業全体の収益回復を支える可能性がある」と華泰証券のアナリストは指摘した。