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NY外為市場=ドル幅広く下落、FRB議長発言受けた利下げ観測で

2025年08月23日(土)05時13分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが幅広い通貨に対し下落した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 22日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが幅広い通貨に対し下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がこの日行った講演で、9月の利下げの可能性を示唆したことが材料視された。

主要通貨に対するドル指数は0.96%安の97.66。パウエル議長の発言前は98.7近辺で推移していた。

パウエル議長はこの日、年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演。雇用への「下振れリスクの高まり」に言及し、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに着手する可能性を示唆した。

コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は、パウエル議長のメッセージは市場の予想よりもはるかにハト派的だったと指摘。「9月の利下げ観測は高まっており、市場参加者は明らかに一段利下げに備える動きとなっている」と述べた。

今月発表された7月の雇用統計が予想外に低調だったほか、消費者物価指数(CPI)から関税措置の消費者への転嫁が足元限定的であることが示唆され、市場では9月の利下げ期待が高まった。ただ、その後発表された7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)が約3年ぶりの大幅な伸びとなったことなどから、利下げ観測は後退していた。

FRBの金融政策の主な判断材料として、今後の労働市場関連のデータに注目が集まる。

CMEのフェドウオッチによると、市場が織り込む9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は85%。取引序盤の時点では72%だった。また、年内の利下げ幅は計54ベーシスポイント(bp)になると見ている。パウエル議長発言前は48bpだった。

ドルは対円で1.08%下落し、146.77円となった。

ユーロは1.06%高の1.1728ドル。

ポンドは0.86%高の1.3527ドル。

豪ドル/米ドルは1.14%高の0.6492米ドルとなった。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.10%高の11万7035ドルとなった。

ドル/円 NY午後3時 146.86/146.87

始値 148.63

高値 148.73

安値 146.59

ユーロ/ドル NY午後3時 1.1721/1.1722

始値 1.1595

高値 1.1742

安値 1.1596

ロイター
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