マネーストックM3、7月は0.6%増 貸出増で3カ月連続伸び拡大

8月12日、日銀が発表した7月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.6%増の1619兆4000億円だった。写真は同行。2023年9月、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日に発表した7月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.6%増の1619兆4000億円だった。伸び率は3カ月連続で拡大、貸出の伸び拡大が要因。残高は4カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
内訳で、定期預金などを含む準通貨は前年比3.8%増の507兆5000億円。伸び率は2004年4月以降で最高となった。残高は21年8月以来の高水準。利上げを背景に普通預金から定期預金へのシフトが進んでいる。預金通貨は0.6%減の978兆2000億円で、減少率は09年1月以来の大きさ。貸出の伸びを背景に、預金通貨と準通貨の残高の合計は前月を上回った。現金通貨は1.8%減の111兆3000億円。
M2は1.0%増の1269兆6000億円。伸び率は3カ月連続で拡大した。残高は5カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
広義流動性は1.6%増の2222兆3000億円。残高はこちらも5カ月連続で増え、過去最高を更新。広義流動性のうち、国債は22.4%増の37兆4000億円。金利の上昇で、法人や家計の購入が増えている。外債は1.6%増の32兆4000億円。広義流動性の速報値はデータが集まらない計数もあり、来月以降に値が修正される可能性がある。
*日銀の発表資料は以下のURLをダブルクリックしてご覧下さい。
マネーストック: http://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms2507.pdf