HSBC、S&P年末目標を6400へ引き上げ AI期待と関税不確実性低下で

8月5日、 英金融大手HSBCはS&P500種株価指数の2025年末の目標を従来より800ポイント引き上げて6400とした。写真は同銀のロゴ。2023年12月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[5日 ロイター] - 英金融大手HSBCは5日、S&P500種株価指数の2025年末の目標を従来より800ポイント引き上げて6400とした。人工知能(AI)への期待感と、トランプ米大統領による輸入品への関税引き上げがもたらしてきた不確実性が和らいだことを上方修正の理由としている。
他に米金融大手ゴールドマン・サックスやバンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチなども7月に株価の年末目標を引き上げている。
HSBCのストラテジストらは顧客向けのメモで「AI取引がハイテク・AI銘柄(S&P500種の約半分を占める)を上昇させる一方、政策の不確実性の低下(すなわち関税)が市場の『残り』を押し上げている」と言及した。
今回の目標の引き上げは4日終値の6329.94から1.1%の上昇にとどまる。
HSBCは、今年後半には米国の経済成長が鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げできるようになると予想。トランプ関税の影響は緩やかで、一時的な影響にとどまるとの見方を示した。
一方、HSBCは強気のシナリオではS&P500種が25年末に7000を付けると予想し、「ハイテク分野にはまだ利幅が拡大する余地があると確信する。ハイテク分野のバリュエーションが伸び切っているとはみていない」とコメントした。