NY外為市場=ドル上昇、調整局面続く FRB人事も注目

ニューヨーク外為市場ではドルが円などの主要通貨に対して上昇した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 5日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが円などの主要通貨に対して上昇した。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測をにらみながら先週に付けた安値圏に近い水準にとどまっており、調整局面が続いている。市場ではトランプ米大統領が8日付で退任するFRBのクグラー理事の後任に誰を選ぶかも注目されている。
終盤の取引でドル/円は0.4%高の147.66円。日銀が6月16―17日に開いた金融政策決定会合で、利上げの再開を意識した発言が多くの委員から出ていたことが会合要旨で明らかになった。
米労働省が1日に発表した7月の雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが予想以上に鈍化したほか、過去2カ月分の雇用者数が大幅に下方修正され、FRBが9月の会合で利下げを再開する可能性があるとの観測が高まった。
マネーコープ(ニュージャージー州)の北米トレーディング部門責任者、ユージン・エプスタイン氏は「今は雇用統計が消化されている段階にある」とし、FRBが利下げを急がない姿勢を維持する中、来週に発表される消費者物価指数(CPI)を待ちながら、相場は調整局面にとどまっているとの見方を示した。
市場はトランプ大統領によるFRB理事らの指名にも注目。トランプ氏はこの日、空席となっているFRB理事ポストの候補を「近く」発表すると表明。次期FRB議長候補を発表する可能性に言及しつつ、議長職の有力候補とみられていたベセント財務長官については、現職にとどまる考えを示しているため、候補から外したと明らかにした。
マネーコープのエプスタイン氏は「クーグラー氏の後任人事はハト派的な金利政策につながり、将来的にドル安要因になる可能性がある」としている。
この日発表の米経済指標では、米供給管理協会(ISM)の7月の非製造業総合指数が50.1と、予想に反して6月の50.8から低下。ただ、為替相場にほとんど影響はなかった。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は 0.2%高の98.81。一時は98.609と、約1週間ぶりの水準に低下していた。
ユーロ/ドルはほぼ横ばいの1.1569ドル。
ドル/円 NY終値 147.60/147.62
始値 147.61
高値 147.83
安値 147.31
ユーロ/ドル NY終値 1.1574/1.1577
始値 1.1544
高値 1.1585
安値 1.1528