ドイツの過剰財政赤字、EUは是正手続きに入らない見通し=FT

欧州連合(EU)欧州委員会のドムブロフスキス委員(写真)は、ドイツの2025年の財政赤字が国内総生産(GDP)の3.3%となり、EUが加盟国に求めている財政赤字を3%以内に抑える財政ルールに沿えない場合でも「過剰財政赤字の(是正)手続きに入ることはない見通しだ」との見方を示した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に27日掲載されたインタビューで語った。写真は南アフリカのダーバンで18日撮影(2025年 ロイター/Rogan Ward)
[ウィーン 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のドムブロフスキス委員(経済担当)は、ドイツの2025年の財政赤字が国内総生産(GDP)の3.3%となり、EUが加盟国に求めている財政赤字を3%以内に抑える財政ルールに沿えない場合でも「過剰財政赤字の(是正)手続きに入ることはない見通しだ」との見方を示した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に27日掲載されたインタビューで語った。
EUの新たな財政ルールでは、加盟国は国防費の一部を財政赤字から除外して算出できる。ドイツの保守派が主導する連立政権は、国防費を含めた計画的な財政支出がEUの財政ルールから逸脱しても、違反には当たらないとの見解を示している。
過剰財政赤字の手続きに入った場合、加盟国の財務相らと欧州委は対象国の財政赤字を3%以内に戻すための是正措置を決定する。対象国は是正措置を怠った場合、原則として最終的に罰金を科される。
ドムブロフスキス氏は、ドイツの財政赤字が3%を超過する部分は全て国防費なので、是正手続きに入らない可能性が高いと説明。「(違反の数値に)近いので予算が実行に移されるのを確認しなければならない(が)もしも全てが予定通り進むのならば、今年の予算で適用すべきではない」と指摘し、最終的に評価するのは25年のデータが出そろう来年春になるとの見解を示した。