参院選後の円は方向感欠く、日経先物も 政治枠組みや関税交渉見極めへ

7月21日、 参院選の与党過半数割れが伝わった外国為替市場で、ドル/円は方向感を欠く値動きとなっている。都内で8日撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Atsuko Aoyama Noriyuki Hirata
[東京 21日 ロイター] - 参院選の与党過半数割れが伝わった21日の外国為替市場で、ドル/円は方向感を欠く値動きとなっている。日経平均先物も祝日取引で明確な方向感は出ていない。選挙結果が想定内との受け止めが聞かれ、次の展開を待つ様相を強めている。
朝方のドル/円は売りが先行し一時147円後半に下落した。投開票を控えた先週まで、円は積極財政への思惑で売られていたが、それがいったん巻き戻されたとみられている。
ただ、その後は再び円安方向に揺り戻すなど値動きは不安定だ。「日本の財政規律は緩む方向と見て、悪い金利上昇で円安という状況を市場は再び織り込んでいるようだ」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは指摘する。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人・金融市場調査部長はドル/円の方向感が出ない背景について「(与党の敗北の度合いが)想定内だったことや、今後の政権枠組みがどうなるか不透明で下手に動けない」とみる。
一方、日経平均先物は祝日取引で一時3万9760円へとやや売りが先行したが、その後は小幅な上下動にとどまっている。18日の現物終値は3万9819円だった。
海外投資家にとっては首相が辞任するかどうかに関心が集まったが「続投の意向が示されたことで、いったん(相場は)落ち着いているのだろう」と、大和証券の坪井裕豪日米株チーフストラテジストは話す。参院選を通過したことで、米国との関税交渉で日本は譲歩案を示しやすくなるとの期待も入っているかもしれないという。
選挙をひとまず通過し「目先は関税交渉や企業決算に目が向きやすく、方向感に乏しくなるかもしれない」と坪井氏は言う。