ニュース速報
ビジネス

テマセク、欧州株を有望視 バリュエーション低下で投資機会拡大

2025年07月11日(金)11時37分

 シンガポールの政府系投資会社テマセクのナギ・ハミエ欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域担当責任者は10日、ロイターのインタビューで、貿易戦争によって一部の欧州企業株のバリュエーションが魅力的になり、欧州への投資機会が増したとの見方を示した。2022年11月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[シンガポール 10日 ロイター] - シンガポールの政府系投資会社テマセクのナギ・ハミエ欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域担当責任者は10日、ロイターのインタビューで、貿易戦争によって一部の欧州企業株のバリュエーションが魅力的になり、欧州への投資機会が増したとの見方を示した。

トランプ米大統領が4月2日、貿易相手国に対して「相互関税」を課すと発表して世界の金融市場が不安定化したのを背景に、一部投資家は欧州資産に熱視線を向けている。

テマセクは2024年度(2024年4月―25年3月)、欧州に100億シンガポールドル(78億米ドル)超を投資した。幹部らはロイターに対し、現在のマクロ経済環境は欧州企業への投資を増やす好機だと訴えた。

ハミエ氏は「われわれが有望視しつつも、バリュエーションの観点から手の届かなかった企業への投資をマクロ環境が助けてくれることがある」とし、米国資産とのバリュエーションの格差や裁定機会といった面からも欧州投資への自信が深まったと語った。

テマセクは24年、今後5年間で欧州に最大250億シンガポールドルを投資する計画を示した。24年度に投資した100億シンガポールドルは、うち約40%に相当する。

ハミエ氏は、今後は欧州のグローバル企業のほか、工業や再生可能エネルギー、金融サービス、消費財などのセクターで強いフランチャイズを有する一族経営企業への投資を検討していくと説明。フランス、イタリア、ドイツ、北欧諸国などへの投資を拡大する余地があるとの見解を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB追加利下げ、ハードル非常に高い=シュナーベル

ビジネス

英BP、第2四半期は原油安の影響受ける見込み 上流

ビジネス

アングル:変わる消費、百貨店が適応模索 インバウン

ビジネス

世界株式指標、来年半ばまでに約5%上昇へ=シティグ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 10
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中