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NY外為市場=ドル上昇、トランプ関税「最悪回避」との観測

2025年07月11日(金)06時03分

ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロやスイスフランなどの主要通貨に対して上昇した。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロやスイスフランなどの主要通貨に対して上昇した。トランプ米大統領が打ち出している関税措置について、最悪のシナリオが具現化する公算は小さいとの見方が出ている。

マネックスUSAのトレーディング部門責任者、フアン・ペレス氏は、トランプ氏が掲げる関税措置による変動は予想されるものの、米経済は世界貿易システムの中心であるとの見方が変わっていないことがドルの支援要因になっていると指摘。「奇妙なことに、トランプ氏の関税を巡る議論とその突発的な性質で、『レバレッジ』という強力な概念があることが示されている」とし、「米国自身が混乱を引き起こしているときにすべきことは、ドルを保有することだ」と述べた。

トランプ大統領は前日、ブラジルのルラ大統領に宛てた書簡で、8月1日からブラジルからの輸入品に対し50%の関税を課すと表明。ルラ大統領はこの日、「米国がブラジルに50%の関税を課す場合、ブラジルも米国に対し50%の関税を課す」と述べ、米国に対する対抗措置を取る可能性を示唆した。

こうした中、ブラジルレアルは一時2.8%下落。終盤の取引までには下げ幅を縮小し、1ドル=5.5433レアルと0.56%安で推移している。

ただ、ブラジルを除き、トランプ大統領が貿易相手国に送付した書簡に記載された関税率は4月2日に発表されたものとほぼ同水準だったことで、米国の関税措置を巡る動向は市場でおおむね落ち着いて受け止められている。

終盤の取引で主要通貨に対するドル指数は0.27%高の97.638。ドル/円は146.235円とほぼ横ばい。ユーロ/ドルは0.23%安の1.1692ドル。

 暗号資産(仮想通貨)ビットコインは11万3820.49ドルに上昇し、過去最高値を再び更新。機関投資家からの需要増のほか、トランプ米大統領の好意的な政策が支援要因になっている。

ドル/円 NY午後4時 146.24/146.25

始値 146.10

高値 146.78

安値 146.09

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1695/1.1696

始値 1.1727

高値 1.1729

安値 1.1663

ロイター
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