三井物産系と三井住友信託がデジタル証券信託設立、市場成長を後押し
Miho Uranaka
[東京 2日 ロイター] - 三井物産子会社の三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)と三井住友信託銀行(SMTB)は、デジタル証券(セキュリティトークン、ST)に特化した信託会社を設立し、7月に開業する予定だ。国内デジタル証券市場の本格的な成長を後押しする狙いがある。
STは、不動産やインフラ資産などの権利をブロックチェーン技術を用いてデジタル化したもの。証券化には組成・運用、受託、販売の各工程にそれぞれ専門の機関が関与するが、新たに設立する「オルタナ信託株式会社」により一気通貫で手掛ける体制が整うという。
新会社の出資比率はMDMが85.1%、SMTBが14.9%。5年後に市場シェア30%に相当する受託残高1兆円を目指す。AI(人工知能)も活用し、これまで半年─1年かかっていた組成期間を1─2カ月程度に短縮できる見通し。
技術の進展や制度整備を背景に、不動産などのオルタナティブ資産への個人投資家のアクセスが容易になり、発行・管理の効率化やコスト低下が期待される中、デジタル証券の市場が拡大している。MDMが開示したデータによると、国内公募のデジタル証券は残高総額が3500億円を超える水準に達している。