ニュース速報
ビジネス

グッチ所有企業、次期CEOにルノーのトップが9月就任へ

2025年06月17日(火)09時16分

 6月16日、高級ブランド「グッチ」を抱えるフランスのケリングは、次期最高経営責任者(CEO)に同国の大手自動車メーカー、ルノーのルカ・デメオCEO(写真)を迎えると正式発表した。パリの仏議会で2月撮影(2025年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

[パリ 16日 ロイター] - 高級ブランド「グッチ」を抱えるフランスのケリングは16日、次期最高経営責任者(CEO)に同国の大手自動車メーカー、ルノーのルカ・デメオCEOを迎えると正式発表した。9月15日に就任する。フランソワ・アンリ・ピノー会長兼CEOは会長に専念する。

創業家のピノー一族以外がケリングのトップに就くのは初めて。ケリングは業績が低迷し、過大な負債を抱えており、投資家や業界関係者はデメオ氏が大きな経営課題に直面すると指摘している。

ピノー氏は最近の数年間の業績は期待に応えるものではないとした上で、新しい体制に移行し、新たな視点を持つことが必要な段階になったとして、「国際的な上場企業グループの指揮を執った経験と、ブランドに対する鋭い理解、そして力強く尊敬に値する企業文化への感覚を踏まえると、デメオ氏は私が求めていた新たなビジョンをもたらすリーダーだと確信した」とコメントした。

ピノー氏は組織戦略に引き続き関与するものの、デメオ氏を「短絡的に」起用するわけではないと説明。主要幹部の人事権や、グループの優先課題の判断はデメオ氏に一任するとした。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後、グッチは販売回復で苦戦している。ケリングは100億ユーロ(116億ドル)を超える負債を抱えており、企業の格付けが再び引き下げられるリスクにさらされている。

一方、ルノーにとってデメオ氏の7月中旬のCEO退任は打撃となる。デメオ氏は約5年間の在任中に業績を立て直し、資本・業務提携を結んでいる日産自動車への出資比率を引き下げたことが評価されている。

16日にケリングの株価は前週末より12%弱上昇し、1日の伸び率としては2008年11月以来、約16年7カ月ぶりの大きさとなった。

一方、ルノー株は約8%下落し、1日の下落率としては22年2月以来、約3年4カ月ぶりの下げ幅となった。

ケプラー・シュブルーのアナリストらは「高級部門企業が社外から誰かを雇うのはリスクが高いと思われるかもしれないが、デメオ氏のプロフィールはケリングを率いるのに適していると思われる」とし、「彼の経営再建能力、製品重視のリーダーシップ、豊富なマーケティング経験は特に価値がある」とコメントした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

JERA、新たなLNG契約締結必要 電力需要対応で

ビジネス

日銀、金融政策の維持決定 国債買い入れは26年4月

ワールド

G7、イスラエル支持を表明 「イランは不安定要因」

ワールド

日韓首脳、17日にカナダで会談へ=韓国大統領府
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 7
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 8
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 9
    「そっと触れただけなのに...」客席乗務員から「辱め…
  • 10
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中