EU、対米交渉で肥料の関税引き下げ提案へ 食品安全基準は緩めず

欧州連合(EU)欧州委員会のハンセン委員(農業・食料担当)は6月5日、トランプ米政権との貿易交渉で、米国から輸入する肥料の関税引き下げを提案する可能性を明らかにした。ミズーリ州ギデオン近郊の農地で2018年5月撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ブリュッセル 6日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のハンセン委員(農業・食料担当)は5日、トランプ米政権との貿易交渉で、米国から輸入する肥料の関税引き下げを提案する可能性を明らかにした。ロイターとのインタビューで語った。
ハンセン氏は、肥料の関税引き下げ提案は「間違いなく選択肢だ」と強調。関税撤廃か現行の関税率引き下げとなるかは交渉次第だと説明した。
EUの統計によると、2023年にEUが輸入した窒素肥料の24%前後はロシアからで、米国からは8%だった。
対米交渉で関税が引き下げられれば米国からの輸入量が増加し、ロシアからの輸入抑制による供給不足を穴埋めすると期待される。
ハンセン氏は「EU諸国の大半はロシアより米国からの肥料調達を望む」との認識を示した。 ただ、域内の厳しい食品安全基準に関して妥協することはないと強調。「高い品質基準を緩める余地はない」と述べた。