午前の日経平均は反発、米関税差し止め判断やエヌビディア決算受け

5月29日、前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比633円30銭高の3万8355円70銭と反発した。2月撮影(2025年 ロイター//Dado Ruvic/Illustration)
[東京 29日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比633円30銭高の3万8355円70銭と反発した。米連邦裁判所が下した関税差し止め判断やエヌビディアの好決算などを受け、幅広く物色されている。外為市場でのドル高/円安や時間外取引の米株先物高も支援した。
米連邦裁判所が28日、トランプ大統領の「解放の日」関税を差し止め、関税を巡る懸念が後退。さらにエヌビディアの好決算のほか、ドル高/円安などが好感され、市場全体は明るいムードに包まれた。
エヌビディア決算については「最新のブラックウェルの歩留まりが改善したと思われ、粗利が反転改善する見通しが示されたことが評価される。同様に、セールスフォースの好決算も注目され、AIの先行きに対する期待が高まりそうだ」(大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏)との指摘もある。
一方、ここからの上値について警戒する向きは少なくない。価格帯別累積出来高で3万8000円を超すと戻り売りが多くなると想定され、これまでも伸びが止まった経緯がある。
市場では「関税が出るまでは3万8000ー4万1000円のレンジだったのが下抜けして、それを今は取り戻してレンジ下限にいる。ここからは心理的には重くなる水準。今期減益予想など踏まえると、目先的に上方向は難しい」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれた。
TOPIXは1.47%高の2810.13ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆3138億7200万円だった。
東証33業種では、パルプ・紙業、陸運業を除き31業種が上昇。値上がり率1位は非鉄金属、2位は輸送用機器だった。
個別では、トヨタ自動車が大幅高となったほか、フジクラが商いを伴って上昇。ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、東京エレクトロンなども高い。第一三共はさえない。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1130銘柄(69%)、値下がりは420銘柄(25%)、変わらずは75銘柄(4%)だった。