米投機的格付け企業、第2四半期の債務借り換え低調=JPモルガン
[ワシントン 21日 ロイター] - 米JPモルガンの分析によると、信用格付けが投機的等級(ジャンク級)の米企業では、2025年第2・四半期の最初から現時点までの社債とローンの借り換えが220億ドルにとどまっている。トランプ米大統領が打ち出した高関税政策で市場のボラティリティーが高まり、こうした企業の多くが期限を迎えた債務の借り換えを見送ったため。
投機的等級企業による債務の借り換えは24年に6150億ドルと過去最高を記録し、25年も第1・四半期は1450億ドルに上ったが、第2・四半期に入って急激に落ち込んだ。
25年末までに償還・返済期限を迎える低格付け社債(ハイイールド債)とレバレッジドローン(信用格付けが投機的等級の企業などへの銀行融資)は200億ドルにとどまる。
しかし、26年は1240億ドル、27年は2910億ドル、28年は6830億ドル、29年は6470億ドルと来年以降は増加傾向になる見通しだ。
JPモルガンで低格付け債などを担当するネルソン・ヤンツェン氏は「今後数年で満期を迎える債務を精査すると、低格付けの発行体にとって資本市場へのアクセスの重要性が高まることが分かる」と指摘した。
ICE・BofA・ハイイールド・インデックスによると、低格付け社債は国債との利回り差が現在320ベーシスポイント(bp)となっている。トランプ米大統領が今年4月2日に「解放の日」と称して輸入品への大規模な関税引き上げを発表した数日後には461bpまで拡大していた。