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G7財務相、共同声明発出に努力 「G6プラス1」の再現を懸念

2025年05月22日(木)09時50分

主要7カ国(G7)財務相会議が5月21日にカナダのバンフで開かれ、トランプ米大統領の関税を巡る論争を脇に置き、G7を存続させるため一定の共通認識を得ることに注力した。写真は議長国カナダのシャンパーニュ財務相。3月14日、オタワで撮影(2025年 ロイター/Blair Gable)

By Julia Payne, Christian Kraemer

[バンフ(加アルバータ州) 21日 ロイター] - 主要7カ国(G7)財務相会議が21日にカナダのバンフで開かれ、トランプ米大統領の関税を巡る論争を脇に置き、G7を存続させるため一定の共通認識を得ることに注力した。

参加者によると、G7財務相・中央銀行総裁は、ウクライナ支援、中国を含む国々の非市場的経済政策による脅威、金融犯罪や麻薬密売との闘いなど、非関税問題を網羅した共同声明を発出するよう努めている。

財務相らは、トランプ大統領1期目だった2018年にカナダがG7議長国を前回務めた際、鉄鋼・アルミニウム関税と気候変動に関する文言への米国の反対によって共同声明が出せなかったのと同じようなG7の分裂を避けたいと考えている。

「G6プラス1」と呼ばれた当時、カナダ、日本、ドイツ、フランス、英国、イタリアはトランプ氏の関税に対して「一致した懸念と失望」を表明した。

トランプ氏による今回の関税ははるかに広範囲に及んでいるが、関係筋によれば、ベセント米財務長官との間で妥協点を見いだそうとする取り組みが進んでいる。

一方で、共同声明の文言で合意できるかどうかは依然として不透明だという。ある欧州筋によると、例えば米側はロシアのウクライナ侵攻を「違法」と表現する文言を草案から削除することを望んでいる。

貿易不均衡についてより良い理解が得られれば共同声明がなくても構わないとの考えも。

フランスのロンバール財務相は「今回のG7会議でウクライナ支援、世界的不均衡の解消、成長政策を巡るより良い連携に向けて前進することができた」とし、「進展させることが最終的に重要だ」と述べた。

G7はまた、ロシア産原油価格上限(現在1バレル60ドル)の引き下げについても議論するが、困難が見込まれるという。

ロイター
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