仏シャネル、中国と米国で積極投資へ 高級品市場不安定でも

5月20日、フランスの高級ブランド大手シャネルは、豊富な資金力を生かし中国と米国へ新規出店を計画するなど積極的な設備投資方針を堅持していることを明らかにした。チューリヒのシャネル店舗前で4月撮影(2025年 ロイター/Stefan Wermuth)
[パリ 20日 ロイター] - フランスの高級ブランド大手シャネルは20日、豊富な資金力を生かし中国と米国へ新規出店を計画するなど積極的な設備投資方針を堅持していることを明らかにした。
フィリップ・ブロンディオ最高財務責任者(CFO)はロイターの取材に応じ「先行き不透明感が著しい時代だが、乗り切ろうと引き続き努力している」と強調。中国と香港で「安定化の兆し」があると述べた。
ただ、同CFOは米中間の関税協議が「先行き不透明感の高まり」をもたらしており、中国・香港の地域情勢が好転したと言うには「時期尚早だ」と慎重な見方も示した。
今年の新規出店計画は48店。地域別では約半分が中国と米国。カナダやメキシコ、インドでも展開する。
同社の2024年12月期決算は売上高が前期比4.3%減の187億ドルにとどまり、営業利益は前期比30%落ち込んだ。中国での販売低迷が響いた。ただ、設備投資額は43%増の計18億ドルに膨らんだ。
同社は同規模の設備投資を今年も実施する計画を発表したが、リーナ・ネアー最高経営責任者(CEO)が「マクロ経済と地政学面の不安定さは事業活動に深刻な逆風で、各種市場の売上高に影響が出ている」と警戒感を示した。