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NY外為市場=ドル下落、米格下げ受け 貿易摩擦にも再び注目

2025年05月20日(火)06時04分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが幅広く下落し、安全通貨である円やスイスフラン、ユーロに対して1週間超ぶりの安値を付けた。(2025年 ロイター/Shohei Miyano)

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが幅広く下落し、安全通貨である円やスイスフラン、ユーロに対して1週間超ぶりの安値を付けた。先週末に米政府の信用格付けが予想外に引き下げられたことや、貿易摩擦が重しとなった。

格付け会社ムーディーズ・レーティングスは16日、米国債の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に引き下げた。  

またベセント米財務長官は18日のインタビューで、貿易相手国が通商協議で「誠意ある」交渉を行わなければ、米国は先月に警告した税率で関税を課すことになるという見解を示した。

これを受け、ドルは主要通貨に対して下落した。ただ、午後にかけてドル売りは勢いを失った。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「これは本当のゲームチェンジャーとなるものではない。ムーディーズは誰も知らなかったことを教えてくれたわけではない。米政府内で何が起きているのかや、ムーディーズが指摘している巨額の財政赤字は周知の事実だ」と述べた上で、アジアと欧州市場でドルが下落したことを受け、北米市場では安値拾いのドル買いがあったと指摘した。    

ドル/円は一時144.665円まで下落し、5月8日以来の安値を付けた。終盤は0.5%安の144.98円で推移した。

ドルはスイスフランに対しても、1週間以上ぶりの安値となる0.8317スイスフランまで下落した。

ユーロ/ドルは0.6%上昇し、1.1232ドルとなった。一時5月9日以来の高値まで上昇した。   

英ポンドも米ドルに対して上昇し、0.6%高の1.3355ドルとなった。取引序盤には、英国がEUとの防衛・貿易関係の見直しで合意したことを受け、4月30日以来の高値を付けた。

ドル/円 NY終値 144.85/144.87

始値 144.80

高値 145.22

安値 144.78

ユーロ/ドル NY終値 1.1242/1.1245

始値 1.1278

高値 1.1280

安値 1.1225

ロイター
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