米ミシガン大消費者信頼感、5月速報値悪化 22年6月以来低水準

米ミシガン大学が16日発表した5月の消費者信頼感指数(速報値)は50.8と、4月確報値の52.2から低下し、市場予想の53.4を下回った。2024年8月、米ワシントンのスーパーで撮影(2025年 ロイター/Kaylee Greenlee Beal)
Lucia Mutikani
[ワシントン 16日 ロイター] - 米ミシガン大学が16日発表した5月の消費者信頼感指数(速報値)は50.8と、4月確報値の52.2から低下し、2022年6月以来の低水準となった。市場予想の53.4も下回った。一方、1年先の期待インフレ率は1981年11月以来の水準に急上昇し、トランプ米大統領が強硬に進める予測不能な貿易政策の経済的影響を巡る懸念が続いていることを示唆した。
また今回の調査では、共和党支持者の意欲が大幅に低下していることが判明し、トランプ米大統領の支持基盤にさえ広範囲な関税政策への懸念が出始めていることが示唆された。共和党支持者の信頼感が低下したのは、トランプ氏が昨年11月5日の大統領選で勝利して以来初めて。
FWDBONDSの主任エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「消費者は明らかに不安を抱いており、行間から価格上昇だけが不安材料でなく、関税政策により数カ月以内に財(モノ)不足が発生し、多くの商品が入手不可能になる可能性が懸念されていることが分かる」と述べた。
1年先の期待インフレ率は7.3%と、前月の6.5%から上昇。民主党・共和党のいずれも、短期的なインフレ率の上昇を予想した。
長期的な期待インフレ率も4.6%と、前月の4.4%から上昇し、91年3月以来の高水準となった。共和党支持者の間で大幅に上昇した。
消費者調査ディレクターのジョアン・スー氏は「関税政策について自発的な言及があったのは消費者の約4分の3に上り、前月の約60%から増加した」とした上で、「貿易政策を巡る不確実性は、依然として消費者の経済を巡る懸念事項となっている」と指摘。
「信頼感は無党派層で小幅に上昇したものの、共和党支持者では7%低下した」と述べた。