米金融機関の賞与、今年はM&A低迷で10%減も=リポート

5月8日、米金融機関の賞与は今年、景気と地政学の見通しが不透明なためM&A(合併・買収)が低迷するのに伴って減少する見通しであることが、コンサルタント会社ジョンソン・アソシエーツのリポートで明らかになった。ニューヨーク証券取引所で4月撮影(2025年 ロイター/Kylie Cooper)
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米金融機関の賞与は今年、景気と地政学の見通しが不透明なためM&A(合併・買収)が低迷するのに伴って減少する見通しであることが、コンサルタント会社ジョンソン・アソシエーツのリポートで明らかになった。
企業が新規株式公開(IPO)やM&Aを控えているため、投資銀行業務は今年に入ってほぼ停止状態となっている。トランプ米大統領が先月打ち出した関税政策で市場が混乱し、企業は活動を控えている。
ジョンソン・アソシエーツによると、今年は米金融機関の賞与が最大10%減少する見込み。しかし経済活動が鈍って取引が止まる最悪のシナリオでは、賞与は最大20%落ち込む可能性がある。一方、トランプ関税を巡る不透明さが薄れたり地政学的緊張が緩和したりすれば、賞与は横ばいか、もしくはわずかに増加する可能性もあるという。
部門別では、株式引受業務で最大20%、M&A助言業務やヘッジファンド、資産運用部門で最大10%の減少が見込まれている。半面、金融市場は変動性が高まったことで取引量が増えており、株式販売・トレーディング部門は最大25%の増加が見込まれるほか、債券販売・トレーディング部門で20%、債務引受で最大10%の増加が予想されている。