午前の日経平均は反発、米FOMC無難通過で 次第に様子見

5月8日、前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比83円49銭高の3万6863円15銭と反発した。写真は2024年2月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Hiroko Hamada
[東京 8日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比83円49銭高の3万6863円15銭と、反発した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難通過したことで買いが先行した。一方、主力のトヨタ自動車の決算発表を後場に控えて調整が出て、マイナス転換する場面もみられた。前場後半にかけては様子見姿勢が広がり、もみ合いとなった。
日経平均は底堅くスタートし、寄り付き直後に一時178円高の3万6957円90銭まで上昇した。ただ、買いの勢いは続かず次第に上げ幅を縮小。マイナス転換し、一時170円超下落する場面もみられた。指数寄与度の大きい銘柄や主力株の一角が軟調で、相場の重しとなった。一方、個別材料を手掛かりにした売買は活発だった。
米連邦準備理事会(FRB)は6─7日に開いたFOMCでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25─4.50%に据え置くとした。市場では「予想通りの結果で無難通過となった。パウエルFRB議長が、足元の米経済に対してしっかりしているとの見方を示し、ひとまず安心感につながったのではないか」(国内証券・投資調査部部長)との声が聞かれた。
山和証券の調査部部長・志田憲太郎氏は「日経平均は急落後の戻りがやや速かったため、多少上値の重さが意識されているようだ。ここからさらに上昇するためには企業業績面でプラスの材料が出てくるなど、きっかけが必要になりそうだ」と話している。午後に発表されるトヨタの決算については「市場の想定よりもしっかりした見通しが示されれば相場のムードが変わり、上方向を試す展開になるかもしれない」という。
TOPIXは0.18%安の2691.36ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆9919億3300万円だった。東証33業種では、サービス、証券、商品先物取引、非鉄金属など8業種が値上がり。海運、保険、陸運など25業種は値下がりした。
個別では、NTTデータグループがストップ高買い気配。NTTが完全子会社化すると一部で報じられ、株式公開買い付け(TOB)への思惑が先行した。前日に決算を発表した川崎汽船、横河電機は堅調。
鳥居薬品は13%超高でプライム市場の値上がり率トップ。塩野義製薬が7日、JT傘下の同社を買収すると発表し、買いが先行した。
指数寄与度の大きいソフトバンクグループは2%超安、ファーストリテイリングは小幅安。ソニーグループは2%超安、トヨタ自動車は小幅安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり534銘柄(32%)に対し、値下がりが1042銘柄(63%)、変わらずが58銘柄(3%)だった。