サムスンSDI、関税で米国製電池の生産コスト上昇の見通し

韓国の電池大手サムスンSDIは25日、米国の関税措置は米国内での電気自動車(EV)用電池の生産コストを上昇させるとの見通しを示した。写真はハンガリーにある同社工場、2022年12月撮影(2025年 ロイター/Marton Monus)
[ソウル 25日 ロイター] - 韓国の電池大手サムスンSDIは25日、米国の関税措置は米国内での電気自動車(EV)用電池の生産コストを上昇させるとの見通しを示した。生産に必要な材料と部品の多くが輸入されていることが理由。
金潤泰副社長は第1・四半期決算発表後の電話会議で「EV用電池は米国で生産されており、関税の直接的な影響はない。しかし、多くの材料と部品は米国外から輸入されるため、コスト負担が増大する見込みだ」と述べた。さらに顧客である自動車メーカーがメキシコとカナダで生産するEVも課税対象になる可能性があり、車両価格の上昇や需要減退につながる恐れがあると付け加えた。
金氏は、コスト上昇分を同社が吸収するのか、消費者に転嫁するのかについて詳しくは話さなかった。また関税は同社の業績に負担になると指摘、関税政策関連の動向について注意深く監視を続けるとともに、影響を軽減するために顧客と協力するとした。
サムスンSDIは、顧客にドイツ自動車大手BMW、米リビアン、ゼネラル・モーターズ(GM)、欧米自動車大手ステランティスなどが名を連ね、米国、韓国、ハンガリー、中国に生産拠点を構えている。