小林薬の株主総会、定款変更の会社提案議案を否決 創業家が反対
Ritsuko Shimizu
[東京 28日 ロイター] - 小林製薬が28日開いた定時株主総会で、会社が提案した議案のうち、社外取締役を取締役議長とする定款変更は否決された。創業家が反対した。
豊田賀一社長は総会後に会見し、定款変更の議案の否決について「結果は残念」とし「大株主である創業家の賛成票が得られなかった」と説明した。創業家は、コーポレートガバナンス改革の方向性は賛成するものの、経営は混乱期にあり、取締役会のメンバーが大きく変わる中で社外取締役が議長を務めることは必ずしも適切なものではない、という立場だったという。
豊田社長は、定款変更議案について「大きく前に進むことを見せていきたいとして出した提案だった」としたうえで「否決されたが、改革には大きな影響はない」と述べた。創業家とは「是々非々でやっていく」との考え方に変化はないという。
同社はこの日、取締役会の諮問機関として「コーポレートガバナンス委員会」を設置した。同委員会は、社外取締役を委員長とし、構成員の過半数を社外取締役とする。
小林製薬は「紅こうじ」関連製品を摂取した人に健康被害が出た問題を受けて、コーポレートガバナンスの抜本的改革として社外取締役による監督の強化を打ち出しており、取締役会議長に関する提案は、その一環だった。
一方、取締役10人の選出や補欠監査役1人の選任については可決した。