ニュース速報
ビジネス

東京コアCPI、3月は2.4%上昇で予想上回る 生鮮除く食料が一段高

2025年03月28日(金)10時03分

 3月28日、総務省が発表した3月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は109.1と、前年同月比2.4%上昇した。都内の商店で2023年撮影(2025年 ロイター/Androniki Christodoulou)

Takahiko Wada

[東京 28日 ロイター] - 総務省が28日に発表した3月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は109.1と、前年同月比2.4%上昇した。生鮮食品を除く食料の伸び率が一段と拡大し、コアCPIの伸び率を押し上げた。ロイターがまとめた民間予測(同2.2%上昇)を上回った。サービス価格の伸び拡大で、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)の伸び率は2024年3月以来の2%台に上昇した。

生鮮食品を除く食料は5.6%上昇となり、前月の5.0%上昇を上回った。24年1月以来の高い伸び。

コメ類は89.6%上昇して1971年1月以降で最大の伸び率を更新した。うるち米(コシヒカリを除く)も92.4%上昇と、前月の伸びを大きく上回り、伸び率は76年1月以降で最大となった。都区部CPIは3月中旬の速報値のため、政府が放出した備蓄米は店頭に並んでおらず、影響は出ていない。このほか、鳥インフルエンザの影響で鶏卵は3.2%上昇、ハンバーガー(外食)は5.6%上昇。

家庭用耐久財は7.7%上昇で前月より伸びが高まった。需要の強さを反映し、ルームエアコンは13.1%上昇、新型モデルの影響で電気冷蔵庫は12.3%上昇。

一方、エネルギー価格は6.1%上昇で、前月の6.9%上昇を下回った。電気代は8.5%上昇、都市ガス代は2.0%上昇でいずれも前月を下回った。政府の電気・ガス料金負担軽減支援事業により、総合指数を0.31%ポイント押し下げた。

コア対象522品目のうち、上昇が359、下落が100、変わらずが62、非調査対象が1。上昇品目は前月の354を上回った。

コアコアCPIは2.2%上昇。生鮮除く食料に加え、サービス価格が0.8%上昇と前月の0.6%上昇を上回ったことも押し上げ要因となった。

サービス価格のうち、一般サービスの外食は5.3%上昇。民営家賃は1.1%上昇して94年10月以来の高い伸び率となった。年度替わりの時期で、新入居や賃貸契約更新時の家賃が前年より高く設定されているという。

24年度平均のコアCPIは前年度比2.1%上昇。2年連続で伸び率を縮小した。

<飲食料品の値上げ、「常態化しつつある」>

食料品が指数の伸びをけん引する構図が続いている。みずほリサーチ&テクノロジーズの酒井才介チーフ日本経済エコノミストは、既往の円安による輸入物価上昇を背景とした価格転嫁の継続に加えて、足元で物流費や人件費の上昇分を商品価格に転嫁する動きが進展しているとして「飲食料品の値上げが徐々に常態化しつつある」と指摘する。

酒井氏は、食品価格の上昇も当面は続くとみる。政府の備蓄米放出などの影響を注視する必要があるものの「今後の需給動向によっては25年産コメ価格がさらに上振れる可能性がある」とする。

酒井氏は現時点で、日銀の次回利上げは7月と予測している。ただ「7月会合が参院選直後であることを踏まえると、新政権とのコミュニケーションを日銀が不安視する場合には6月に利上げが実施される可能性もある」と話す。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国の1─4月鉄鋼輸出は過去最高、関税見越した前倒

ワールド

台湾総統、新ローマ教皇プレボスト枢機卿に祝辞 中国

ビジネス

景気一致指数3月は前月比1.3ポイント低下、4カ月

ワールド

中国レアアース輸出、4月は前月比-15.6% 輸出
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中