ニュース速報
ビジネス

中国の対外投資、香港のチャンスに 金融管理局総裁が指摘

2025年03月26日(水)15時54分

3月26日、香港金融管理局(中央銀行に相当)の余偉文総裁(写真)は香港を経由した中国資本の対外投資が今後数年、香港にとって最大のチャンスになるとの認識を示した。2022年11月撮影(2025年 ロイター/Tyrone Siu)

Selena Li Kane Wu

[香港 26日 ロイター] - 香港金融管理局(中央銀行に相当)の余偉文総裁は26日、香港を経由した中国資本の対外投資が今後数年、香港にとって最大のチャンスになるとの認識を示した。

英銀行大手HSBCが香港で開催したグローバル・インベストメント・サミットで述べた。

総裁は、広東・香港・マカオ大湾区(グレーターベイエリア)で金融商品の相互投資を認める「理財通(ウェルス・マネジメント・コネクト)」について、香港が規制緩和を検討しており、本土の他の都市にも拡大できないか検討していると発言。

今後数年の大きなチャンスは、海外資本が香港を経由して中国本土に向かう「北向き」よりも、中国資本が香港を経由して海外に向かう「南向き」にあると指摘した。

中国本土への資金流入は近年、中国経済の見通し悪化や地政学的な不透明感を背景に鈍化しているが、中国の対外投資は上向いており、香港はこうした資本移動の恩恵を受けている。

総裁は、こうした流れが今後数年でさらに強まると予測。中国本土の投資家が株式・債券・理財商品の相互取引制度を通じた海外への投資を継続するとの見方を示した。

香港株式市場の取引高の20─30%は株式相互取引制度を通じて中国本土から流入する資本だという。

長期投資家が香港市場に戻ってきているとも指摘。中国の景気刺激策のほか、AI(人工知能)新興企業ディープシークなどAIイノベーションに対する期待が背景という。

また、近年の貿易ルートの変化により、国際貿易で人民元が使用される機会が増えており、これも香港にプラスになると発言。

「香港では人民元建て債券の発行を通じた資金調達活動も活発化している」とし、発行額が3年間で倍増し、昨年1兆元(1376億6000万ドル)を超えたと述べた。人民元建て融資は同期間に3倍の7500億元に増加したという。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中