ニュース速報
ビジネス

米国株式市場=反発、関税巡る懸念が緩和 受注獲得でボーイングが高い

2025年03月22日(土)06時33分

The Wall Street entrance to the New York Stock Exchange (NYSE) is seen in New York City, U.S., November 15, 2022. REUTERS/Brendan McDermid

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とダウ工業株30種が小反発。ナスダック総合も約0.5%高で引けた。トランプ大統領の関税に関する発言を受け、4月初めに発動が予定される相互関税の影響に対する懸念が和らいだ。

トランプ大統領は、関税について柔軟に対応するとし、グリア米通商代表部(USTR)代表が来週、中国側のカウンターパートと協議すると見通しと述べた。関税を米国の対中貿易赤字削減に活用する方針も改めて示した。

S&Pは一時1%強下げる場面もあったものの、切り返した。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの米SPDR事業チーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は、今週株価が大幅に回復しなかったことに懸念を表明。「トランプ政権の貿易政策を巡る不確実性、米経済成長不安に対する懸念、そして最終的に金融政策の方向性を巡る不確実性」が要因と指摘した。

シカゴ地区連銀のグールスビー総裁は21日、トランプ政権の関税政策が持続的なインフレにつながるかは米連邦準備理事会(FRB)にとって未知数とし、どのような影響が及ぶか「整理する」ためにさらに時間が必要だとした。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁も、関税措置が物価に及ぼす影響を判断するのは時期尚早で、FRBは政策変更を急いでいないと述べた。

週足では、S&Pが0.5%高、ナスダック総合は0.17%高と、ともに5週間ぶりの上昇となった。ダウは週間で1.2%高と、2カ月ぶりの大幅な伸びを記録した。

物流大手フェデックスは6.45%安。2025会計年度(24年6月―25年5月)の1株当たり利益見通しを下方修正したことが嫌気された。

競合のUPSも1.61%下落した。

スポーツ衣料品ナイキは5.46%安。第4・四半期(3─5月)売上高が10%台半ばの減少を見込むとし、市場予想を下回った。

一方、航空機大手ボーイングは3.06%高。トランプ大統領は、米空軍の次世代戦闘機の製造契約を航空機大手ボーイングと締結したと発表した。

受注獲得を逃したロッキード・マーティンは5.79%下落した。

この日は株式先物取引、株価指数オプション取引、個別株オプシ

ョン取引の3つの取引期限満了日が重なる「トリプルウィッチング」に

当たり、出来高とボラティリティーが高まった。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.93対1の比率で上回った。ナスダックも1.42対1で値下がり銘柄が多かった。

米取引所の合算出来高は210億5000万株と、直近20営業日の平均は164億7000万株を大幅に上回り、1月7日以来最大となった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 41985.35 +32.03 +0.08 41763.40 42011.4 41433.8

0 6

前営業日終値 41953.32

ナスダック総合 17784.05 +92.43 +0.52 17519.84 17798.0 17474.8

6 1

前営業日終値 17691.63

S&P総合500種 5667.56 +4.67 +0.08 5630.73 5670.84 5603.10

前営業日終値 5662.89

ダウ輸送株20種 14608.59 -29.26 -0.20

ダウ公共株15種 1008.99 -9.02 -0.89

フィラデルフィア半導体 4557.95 -43.42 -0.94

VIX指数 19.28 -0.52 -2.63

S&P一般消費財 1577.46 +9.87 +0.63

S&P素材 538.06 -5.43 -1.00

S&P工業 1116.78 -6.08 -0.54

S&P主要消費財 864.15 -0.76 -0.09

S&P金融 820.54 -3.19 -0.39

S&P不動産 259.45 -2.68 -1.02

S&Pエネルギー 702.73 -4.38 -0.62

S&Pヘルスケア 1703.97 -5.19 -0.30

S&P通信サービス 329.64 +3.25 +1.00

S&P情報技術 4171.05 +20.51 +0.49

S&P公益事業 397.43 -2.63 -0.66

NYSE出来高 46.08億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 37450 + 50 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 37355 - 45 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中