ニュース速報
ビジネス

米経常赤字、第4四半期は3039億ドルに縮小 改善は一時的との見方

2025年03月21日(金)01時53分

米商務省が20日に発表した第4・四半期の経常収支の赤字額は前期比63億ドル(2.0%)縮小し、3039億ドルになった。写真は2月、米カリフォルニア州オークランド港で撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

[ワシントン 20日 ロイター] - 米商務省が20日に発表した第4・四半期の経常収支の赤字額は前期比63億ドル(2.0%)縮小し、3039億ドルになった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は3255億ドルへの拡大だった。

ただ、関税を回避するために企業が前倒し輸入を行った影響で1月の財(モノ)輸入は過去最高に急増しており、赤字縮小は一時的なものとなる可能性がある。

第3・四半期の赤字は3103億ドルに修正された。前回発表は3109億ドルだった。過去最高であることは変わらなかった。

第4・四半期の経常収支赤字は国内総生産(GDP)比4.1%となり、第3・四半期の4.2%から低下した。住宅市場が崩壊し始めた2006年第3・四半期にはGDPの6.3%に達していた。

2024年の経常赤字は2282億ドル(25.2%)拡大し、過去最高の1兆1300億ドルに達した。対GDP比は3.9%で、22年以来の高水準となり、23年の3.3%から上昇した。

準備通貨としての地位を考えると、巨額の経常赤字は今のところドルにほとんど影響を及ぼしていない。しかしエコノミストらは、赤字の拡大と連邦政府の財政赤字の膨張がドルにとってリスクとなると警告している。

第4・四半期のモノの輸入は57億ドル増加の8453億ドル。非貨幣用金の輸入増加が資本財の急減を相殺した。サービス輸入は、個人旅行の増加により48億ドル増加し2110億ドルとなった。

モノの輸出は民間航空機、コンピューター付属品、周辺機器、部品、半導体の不振により、108億ドル減少の5192億ドルとなった。

医薬品、歯科製品、製薬製品などの消費材輸出も減少した。知的財産権の使用料や旅行料が上昇する中、サービス輸出は77億ドル増加して2871億ドルとなった。

モノの貿易赤字は3261億ドルに拡大し、22年第1・四半期以来の高水準となった。第3・四半期は3096億ドルだった。

第一次所得収支の収入は186億ドル増加して3663億ドルと、黒字に転じた。支出は24億ドル増加して3639億ドルとなった。

第二次所得の収入は7億ドル増加し512億ドル。支出は32億ドル減少し1074億ドルだった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ・S&P最高値更新、オラクル株急

ワールド

米政権、金融当局刷新へ 規制負担軽減で成長促進=財

ワールド

トランプ氏、中国との協力と日本との同盟「両立可能」

ワールド

ゼレンスキー氏、米に新たな和平案提示 「領土問題な
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中