ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(25日)ドルが対円以外で下落、利回り5カ月ぶり高水準 株下落

2024年04月26日(金)07時05分

<為替> ドルが対円を除いて下落した。2024年第1・四半期の国内総生産(GDP)速報値が約2年ぶりの低い伸びとなる一方、コア個人消費支出(PCE)指数の伸びが加速した。

第1・四半期GDP速報値は年率換算で前期比1.6%増だった。伸びは前四半期の3.4%増から大幅に鈍化し、市場予想の2.4%増に届かなかった。米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコアPCE指数は3.7%上昇し、前四半期の2.0%上昇から伸びが加速した。

ドル指数は0.21%安の105.60。GDP発表後に国債利回りが上昇したことを受け、一時106.00に上昇する場面があった。    

円は対ドルで34年ぶりの安値を更新、対ユーロでは16年ぶりの安値を付けた。投資家は、日銀が26日まで開催する政策決定会合が、円を下支えするほどタカ派的なものにはならないと予想している。

ドル/円は0.19%高の155.63円。GDP発表後に155.31円まで下落したが、ほどなく反転した。一時、34年ぶり高値となる155.75を付けた。

ユーロ/円は167.025円まで急上昇した。          投資家は、155円台が日本の当局にとっての一線であり、それを超えると日銀が介入する可能性があるとみて、警戒感が高まっている。    

ユーロ/ドルは0.26%上昇し、1.0725ドルとなった。英ポンドは0.35%高の1.2504ドル。   

暗号資産(仮想通貨)のビットコインが0.80%高の6万4492ドル。イーサリアムは0.94%上昇し3158.95ドル。

<債券> 米債利回りが5カ月超ぶりの高水準を付けた。第1・四半期の米経済成長率が予想を下回ったものの、インフレ指標の伸び加速を受けた。

米商務省が25日に発表した2024年第1・四半期のGDP速報値は年率換算で前期比1.6%増と、伸びは市場予想の2.4%増に届かなかった。一方、FRBが物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコアPCE指数は3.7%上昇し、前四半期の2.0%上昇から伸びが加速した。

シュワブのシニア投資ストラテジスト、ケビン・ゴードン氏は、インフレ率の伸び加速は「間違いなく驚きだった」と述べた。

BTIGのマネジング・ディレクター兼グローバル金利トレーディング共同責任者、トム・ディ・ガロマ氏は、PCEのデータは「FRBが非常に注意深く監視しているものだ」とした。

フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む年内の利下げ幅予想は35ベーシスポイント(bp)。24日終盤は43bpだった。利下げ開始は9月か11月が見込まれている。

指標10年債利回りは5bp上昇の4.704%。一時は11月2日以来の高水準となる4.739%を付けた。2年債利回りは6bp上昇の4.996%。一時は11月14日以来の高水準となる5.027%を付けた。

2・10年債の利回り格差はほぼ変わらずのマイナス29bp。

米財務省が実施した440億ドルの7年債入札はまずまずの需要を集めた。

<株式> 下落。第1・四半期の米GDPの伸びが鈍化し、市場予想を下回ったことが嫌気された。また、前日引け後に発表されたメタ・プラットフォームズの決算が期待外れの内容だったことを受け、大型株の売りが広がった。

第1・四半期の米経済成長率は約2年ぶりの低水準となり、インフレの加速も示され、FRBが9月前に利下げに動かないという観測が強まった。

メタは約11%下落した。売りは他のハイテク株にも及び、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフトも下落した。

ただ、アルファベットとマイクロソフトは、予想を上回る四半期決算を発表し、時間外取引で上昇した。一方、インテルは第2・四半期の収益予想が市場予想を下回り、時間外取引で8%下落した。

メタの下げを受けて通信セクターが売られ、S&Pのセクターで下げが最大の下げとなった。ヘルスケア、不動産、金融、消費財も下落した。

シエラ・ミューチュアル・ファンドのジェームス・セント・オービン最高投資責任者(CIO)は「GDPは高成長という点で市場が株式に抱いていた期待を間違いなく崩した。高成長がなければ予想を下回る収益につながる」と述べた。

IBMは8%安。第1・四半期決算の売上高が予想を下回ったほか、クラウドソフトウエアプロバイダーのハシコープを64億ドルで買収すると発表した。

キャタピラーは7%下落。第2・四半期の売上高予測を下方修正したことが嫌気された。

<金先物> 米GDP統計を眺めて売り買いが交錯したものの、終盤に買いが優勢となり、4営業日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比4.10ドル(0.18%)高の1オンス=2342.50ドル。

<米原油先物> 中東地域の供給混乱リスクが米需要鈍化懸念を打ち消し、反発した。米国産標準油種 WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.76ドル(0.92%)高の1バレル=83.57ドル。7月物は0.66ドル高の82.75ドルだった。

ドル/円 NY終値 155.65/155.6    

6

始値 155.54    

高値 155.74      

安値 155.33      

ユーロ/ドル NY終値 1.0729/1.073    

0

始値 1.0724    

高値 1.0739      

安値 1.0679      

         

  米東部時間      

30年債(指標銘柄) 17時05分 91*04.00 4.8134%

  前営業日終値 91*18.00 4.7840%  

10年債(指標銘柄) 17時05分 94*16.50 4.7040%

  前営業日終値 94*28.50 4.6540%  

5年債(指標銘柄) 17時02分 99*18.75 4.7189%

  前営業日終値 99*27.25 4.6590%  

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.50 4.9996%

  前営業日終値 99*28.25 4.9370%  

         

   終値 前日比 %  

ダウ工業株30種 38085.80 -375.12 -0.98

 前営業日終値 38460.92      

ナスダック総合 15611.76 -100.99 -0.64

 前営業日終値 15712.75      

S&P総合500種 5048.42 -23.21 -0.46

 前営業日終値 5071.63      

         

COMEX金 6月限 2342.5 +4.1  

前営業日終値 2338.4      

COMEX銀 5月限 2735.3 +0.7  

前営業日終値 2734.6       

北海ブレント 6月限 89.01 +0.99  

前営業日終値 88.02      

米WTI先物 6月限 83.57 +0.76  

前営業日終値 82.81      

CRB商品指数 297.6566 +0.5625  

前営業日終値 297.0941      

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中