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NY市場サマリー(28日)S&P続伸、ドル上昇、利回り上昇

2024年03月29日(金)09時31分

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで上昇した。月末や四半期末に向けてポジションを整理する投資家の動きが出た。市場は明日発表の個人消費支出(PCE)価格指数待ちとなっている。

こうした中、日本円は小幅安の1ドル=151.38円となった。27日には1990年以来の安値を付け、152円の大台目前まで下落していた。

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は27日遅く、最近の期待外れのインフレ指標が利下げを遅らせる根拠になっていると発言。これもドル上昇要因となった。

29日は、米国債券・株式市場は祝日のため休場。外国為替市場の参加者も少ないため、ボラティリティーが高まる可能性がある。29日にはパウエルFRB議長の講演も予定されている。

ユーロは一時1.0775ドルと5週間ぶりの安値を付けた。終盤は0.34%安の1.0789ドルとなった。

<債券> 米金融・債券市場では、午後2時までの短縮取引となる中、米債利回りが上昇した。米第4・四半期国内総生産(GDP)確報値が上方修正されたものの、聖金曜日を含む三連休を控え、米債市場への影響は限定的だった。

米商務省が28日発表した第4・四半期の実質GDP確報値は年率換算で前期比3.4%増と、改定値の3.2%増から上方改定された。

米債市場の反応は鈍かった。市場では29日に発表される個人消費支出(PCE)価格指数が注目されている。

10年債利回りは0.6ベーシスポイント(bp)上昇の4.202%。第1・四半期は約35bp上昇となった。

マッコーリーのグローバル為替・金利ストラテジスト、ティエリー・ウィズマン氏は「英、ユーロ、カナダのインフレ低下についてはそれほど疑念を抱いていない。問題は1─2月に米インフレが上昇したという状況に米連邦準備理事会(FRB)が直面していることだ」と指摘。米インフレ上昇の詳細は不明だが、FRBは他の中銀よりも少し警戒する必要があるとした。

<株式> 米国株式市場は、S&P総合500種が続伸。第1・四半期としても5年ぶりの高い伸びを記録した。市場では29日発表のインフレ指標に注目が集まっている。

第1・四半期は主要株価3指数がいずれも堅調な上昇を見せ、S&P500が人工知能(AI)関連株への期待や米連邦準備理事会(FRB)が年内に利下げを開始するとの見方を背景に上げを主導した。

ダウ工業株30種は初の4万ドル突破まで1%弱に迫っている。

米商務省が28日発表した第4・四半期の実質国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比3.4%増と、改定値の3.2%増から上方改定された。堅調な個人消費などを反映した。

また、米労働省が発表した23日までの1週間の新規失業保険申請件数は前週比2000件減の21万件となり、労働市場の底堅さを示した。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、期末要因を背景にテクニカルな買いが加速し、続伸した。

米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は前日の講演で、今年1、2月の消費者・卸売物価が上振れしたことを受け、「金融政策を正常化するための利下げを急ぐ必要はない」と発言。当面は物価動向を注視していく考えを表明した。

また、28日朝に発表された米経済指標も景気の底堅さを示唆する内容。2023年10─12月期の実質GDP(国内総生産)確定値が前期比3.4%増に上方修正されたほか、週間新規失業保険申請件数は小幅に減少、さらに米ミシガン大の3月の消費者景況感指数(確報値)は2年8カ月ぶりの高水準となり、年内3回の利下げ観測がやや後退した。しかし、FRBがインフレ指標として重視する2月の個人消費支出(PCE)物価指数の発表を翌29日に控え、この日は市場全体で様子見ムードが強く、金相場も午前は前日清算値付近でもみあい。午後に入って買いが膨らみ、最高値圏に到達した。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、供給がタイトになるとの見通しが台頭する中、前日までの続落の後を受けた買いに、3日ぶりに反発した。

この日は安値拾いの買いが優勢となり、終盤までほぼ一本調子で上昇した。グッドフライデー(聖金曜日)の休場を翌日に控え、ポジション調整目的の買いも入ったもよう。朝方発表された2023年10─12月期の米実質GDP(国内総生産)確定値が改定値から上方修正され、景気の底堅さが改めて示唆されたことも、エネルギー需要先行きを巡る懸念を幾分和らげた。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が6月の閣僚級会合まで現行の生産方針を据え置く可能性が高いとの報を背景に、供給が引き締まるとの見方が台頭したことも、引き続き相場の押し上げに寄与した。4月3日にオンラインで開かれる合同閣僚監視委員会(JMMC)では、市場の現状把握や加盟国の減産順守状況の点検のみにとどまるとの見方が強い。

ドル/円 NY終値 151.37/151.39

始値 151.39

高値 151.42

安値 151.16

ユーロ/ドル NY終値 1.0787/1.0791

始値 1.0787

高値 1.0818

安値 1.0783

米東部時間

30年債(指標銘柄) 14時30分 98*11.00 4.3493%

前営業日終値 98*06.00 4.3590%

10年債(指標銘柄) 14時30分 98*11.00 4.2062%

前営業日終値 98*13.50 4.1960%

5年債(指標銘柄) 14時30分 99*18.50 4.2195%

前営業日終値 99*23.00 4.1880%

2年債(指標銘柄) 14時30分 99*24.25 4.6283%

前営業日終値 99*27.75 4.5700%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 39807.37 +47.29 +0.12

前営業日終値 39760.08

ナスダック総合 16379.46 -20.06 -0.12

前営業日終値 16399.52

S&P総合500種 5254.35 +5.86 +0.11

前営業日終値 5248.49

COMEX金 6月限 2238.4 +25.7

前営業日終値 2212.7

COMEX銀 5月限 2491.6 +16.4

前営業日終値 2475.2

北海ブレント 5月限 87.48 +1.39

前営業日終値 86.09

米WTI先物 5月限 83.17 +1.82

前営業日終値 81.35

CRB商品指数 290.2913 +3.5266

前営業日終値 286.7647

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