ECB副総裁、11月のインフレ指標を歓迎 「勝利宣言は尚早」
[マドリード 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は4日、最近のユーロ圏のインフレ指標は良いニュースで「ポジティブ・サプライズ」だと述べた。
ただ将来の政策決定はデータ次第だとの認識も示した。
11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率は前年比2.4%と、3カ月連続で予想を大幅に下回った。市場ではECBの予想よりも大幅に早いペースで金利が低下するとの見方が浮上している。
デギンドス氏は、中銀は慎重になる必要があり「勝利宣言は尚早だ」と発言。「ベース効果がある。政府の対策の撤回には潜在的にインフレを促す影響があり得る。賃金動向もインフレを促す影響を及ぼし得る」と述べた。
将来の金利決定については、データ次第だとして、具体的な道筋を示さなかった。現在の金利水準を維持すれば、インフレ率を中期目標の2%に戻せるとの見方も示した。
同氏は市場がソフトランディングとディスインフレの長期化の双方を予想しているとした上で「不透明感が強く、そうした想定は現実に確認できない可能性がある」とも述べた。
ECBのラガルド総裁らはインフレ圧力を完全に消滅させるには数四半期にわたって金利を据え置く必要があると指摘しているが、市場は来年4月に最初の利下げが行われると予想。来年、計115ベーシスポイント(bp)が利下げがあると見込んでいる。