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UBS、クレディ・スイス買収の損失保証巡りスイス政府と合意

スイスの大手銀行UBSとスイス政府は9日、クレディ・スイス救済買収でUBSに損失が発生した場合、90億スイスフラン(100億ドル)まで政府が負担する契約を結んだと発表した。チューリヒで3月撮影。(2023年 ロイター/Denis Balibouse)
[チューリッヒ 9日 ロイター] - スイスの大手銀行UBSとスイス政府は9日、クレディ・スイス救済買収でUBSに損失が発生した場合、90億スイスフラン(100億ドル)まで政府が負担する契約を結んだと発表した。
政府の声明によると、さまざまな条件が設定されており、UBSは本社をスイスに置くことが義務付けられている。
UBSは発表文で、12日にも完了する見込みのクレディ・スイス買収が完了した時点で合意が有効になると説明した。
スイス政府は「買収を可能にするためクレディ・スイスの資産売却による損失保証をUBSに付与した」とし、50億フランを超える分を政府が負担し、負担総額は90億フランに制限されると指摘した。
クレディ・スイス買収時に短時間で評価することが困難だった資産のうち、UBSの中核業務にならないものが対象となる。クレディ・スイス買収完了後のUBSの総資産の約3%、約440億フラン相当で、デリバティブ、融資、レガシー資産、仕組み商品などが含まれるという。
資産売却による損失の規模は第3・四半期中に明らかになる見込みとしている。資産の清算や市場の動向に大きく左右されるため、補填の可能性や規模を現時点で予想することはできないと説明した。
損失とリスクを最小限に抑え、補償制度をできる限り利用しないことが政府とUBSの最優先事項とした。
UBSは「資産をしっかりと慎重に管理し、損失を最小化し価値を最大化する」と表明した。