ニュース速報

ビジネス

UBS、クレディ・スイス買収の損失保証巡りスイス政府と合意

2023年06月09日(金)19時43分

スイスの大手銀行UBSとスイス政府は9日、クレディ・スイス救済買収でUBSに損失が発生した場合、90億スイスフラン(100億ドル)まで政府が負担する契約を結んだと発表した。チューリヒで3月撮影。(2023年 ロイター/Denis Balibouse)

[チューリッヒ 9日 ロイター] - スイスの大手銀行UBSとスイス政府は9日、クレディ・スイス救済買収でUBSに損失が発生した場合、90億スイスフラン(100億ドル)まで政府が負担する契約を結んだと発表した。

政府の声明によると、さまざまな条件が設定されており、UBSは本社をスイスに置くことが義務付けられている。

UBSは発表文で、12日にも完了する見込みのクレディ・スイス買収が完了した時点で合意が有効になると説明した。

スイス政府は「買収を可能にするためクレディ・スイスの資産売却による損失保証をUBSに付与した」とし、50億フランを超える分を政府が負担し、負担総額は90億フランに制限されると指摘した。

クレディ・スイス買収時に短時間で評価することが困難だった資産のうち、UBSの中核業務にならないものが対象となる。クレディ・スイス買収完了後のUBSの総資産の約3%、約440億フラン相当で、デリバティブ、融資、レガシー資産、仕組み商品などが含まれるという。

資産売却による損失の規模は第3・四半期中に明らかになる見込みとしている。資産の清算や市場の動向に大きく左右されるため、補填の可能性や規模を現時点で予想することはできないと説明した。

損失とリスクを最小限に抑え、補償制度をできる限り利用しないことが政府とUBSの最優先事項とした。

UBSは「資産をしっかりと慎重に管理し、損失を最小化し価値を最大化する」と表明した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米11月中古住宅販売、0.5%増の413万戸 高金

ワールド

プーチン氏、和平に向けた譲歩否定 「ボールは欧州と

ビジネス

FRB、追加利下げ「緊急性なし」 これまでの緩和で

ワールド

ガザ飢きんは解消も、支援停止なら来春に再び危機=国
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 8
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中