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NY外為市場=ドル下落、米失業保険申請急増を嫌気

2023年06月09日(金)05時54分

ニューヨーク外為市場ではドルが下落。朝方発表された週間の米新規失業保険申請件数が急増したことを嫌気した。今年3月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが下落。朝方発表された週間の米新規失業保険申請件数が急増したことを嫌気した。ただ、5月米消費者物価指数(CPI)の発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控え、おおむね値固めの動きとなっているとアナリストは指摘する。

3日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週から2万8000件急増し、26万1000件となった。件数は約1年半ぶり高水準、増加幅は約2年ぶりの大きさとなり、労働市場の減速が示唆された。

13─14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げは見送られるとの見方が大勢だが、7月に利上げが実施されるという観測がこれまでドルへの追い風となってきた。しかし、指標が悪化する中、バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフマーケットストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「6月であれ7月であれ、米連邦準備理事会(FRB)が追加利上げを行う可能性は低い。市場は現時点で7月を見込んでいるが、経済が弱含む兆候が見られる中、これ以上やることはないと市場は考えている」と述べた。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が8日発表した第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)確報値は前期比0.1%減少と、テクニカルリセッション(2四半期連続のマイナス成長)となったものの、ユーロは上昇。ユーロ/ドルは一時5月24日以来の高値となる1.07870ドルを付けた後、終盤の取引では0.75%高の1.0779ドル。

ドル/円は0.87%安の138.94円。

主要通貨に対するドル指数は0.67%安の103.33。一時、5月23日以来の安値となる103.29を付ける場面もあった。

米ドル/カナダドルは0.09%安の1.3358カナダドル。 カナダ銀行(BOC、中央銀行)は7日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、22年ぶりの高水準となる4.75%とした。

豪ドル/米ドルは0.91%高の0.6714米ドル。オーストラリア準備銀行(中央銀行)も今週、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%引き上げ、11年ぶり高水準の4.10%とした。

ドルは対スイスフランで1.20%急落し、5月23日以来の安値となる0.899フランを付けた。

スイス国立銀行(中央銀行、SNB)のジョルダン総裁は8日、「物価が安定する水準までインフレ率を下げることが実に重要だ」としてインフレ対策に力強く取り組む姿勢を改めて表明した。

ロイター
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