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米預金保険基金、最上位14行が年58億ドル補充へ=FDIC
5月11日、米連邦預金保険公社(FDIC)は、最近の地方銀行破綻で目減りした預金保険基金の補充を約113の銀行に負担してもらう提案を承認した。写真は3月、ボストンのファースト・リパブリック銀に掲示されたFDICのロゴ(2023年 ロイター/Brian Snyder)
[ワシントン 11日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)は11日、最近の地方銀行破綻で目減りした預金保険基金の補充を約113の銀行に負担してもらう提案を承認した。大手行が大部分を負担するが、中堅銀行も支払いを求められる。
預金保険基金からは、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻に伴って預金全額保護措置を講じた際に約160億ドルが引き出された。さらにFDICが接収したファースト・リパブリック銀行をJPモルガン・チェースが買収するに当たり、基金は130億ドルの支払いを強いられる。
FDICはこの穴埋めとして、2022年末の全銀行の保険対象外預金残高を踏まえ、資産50億ドルを超える銀行に各保険対象預金の0.125%を「特別賦課金」として徴収する方針。特に資産500億ドル超の銀行が特別賦課金の95%余りを支払うことになる。一方で資産50億ドル未満の銀行は負担の義務はない。
クレディ・スイスのアナリストによると、米銀最上位14行の支払額は推定で年間58億ドルに上り、中央値ベースで1株利益が3%目減りしかねない。
特別賦課金は来年6月から、四半期ごとに8回に分けて徴収される予定。今後の基金の損失見積もりが変われば、徴収額が修正される可能性がある。ただFDICは、銀行の流動性への影響を最小化するように徴収期間を長期化しており、資本基盤への影響も無視できるほど小さくなると説明した。
JPモルガン・チェースは推定で年間13億ドル、バンク・オブ・アメリカは11億ドル、ウェルズ・ファーゴは8億9800万ドルを支払うことになるとみられる。3行はコメントを控えた。
TDコーエンのアナリストは「FDICはわずか2年で基金を補充しようとしており、賦課金はわれわれの想定を上回った。少なくとも3年にわたり支払いを分散させると見込んでいた」と述べた。
FDICによると、22年末の預金保険基金の残高は1282億ドルだった。
FDICは今後、銀行業界や一般からフィードバックを募った上で最終決定する。