ニュース速報
ビジネス

JPモルガン、純金利収入予想引き上げ 軟着陸想定もリスクに備え

2024年05月21日(火)08時11分

米金融大手JPモルガン・チェースは20日、投資家向けイベントで、経済に不透明感はあるものの、金利上昇によって金利収入が増えるとの見通しを示した。2015年5月撮影(2024年 ロイター/Mike Segar)

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースは20日、投資家向けイベントで、経済に不透明感はあるものの、金利上昇によって金利収入が増えるとの見通しを示した。

市場事業を除く通期の純金利収入(NII)見通しを910億ドルと、4月の予想890億ドルから引き上げた。

従来予想は、借入コストの上昇からより大きな利益を得られると想定していたアナリストの予想を下回っていた。

ジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は投資家に対し、規制の強化と地政学的な不透明性を要因に挙げ「環境はより複雑になっている」と言及。今後数四半期、NIIの道筋は上下を伴い「ノイズの多い」ものになるだろうとの見方を示した。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、地政学的な緊張や物価高が想定よりも長引くといったリスクを挙げ、慎重になっていると述べた。

CEO在任期間が18年を超えたダイモン氏は、後継者選びにも言及した。ここ数年、続投期間を問われるとあと5年は残ると答えていたが、この日は「もう5年ではない」と語った。

JPモルガンの取締役会は最近、商業銀行と投資銀行の共同CEOであるジェニファー・ピープザック氏とトロイ・ローボー氏を有力候補として挙げている。

ダニエル・ピント社長は、米経済は大きな低迷を回避するソフトランディング(経済の軟着陸)に向かっているが、JPモルガンはこの見通しを妨げるリスクに備えているとし、「不透明性があるのは明らかだ」と指摘した。

JPモルガンは昨年5月、経営破綻した米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行を買収し、多額の融資を獲得。この買収によって金利収入が増えたことも増益に貢献した。  

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国、東岸沖に莫大な石油・ガス埋蔵か 尹大統領が探

ビジネス

米ボーイングの24年納入・キャッシュフロー予想引き

ビジネス

スカイダンスのパラマウント買収、修正案は1株約15

ワールド

イスラエル首相、米議会で演説へ 「戦争の真実」伝達
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 2

    キャサリン妃「お気に入りブランド」廃業の衝撃...「肖像画ドレス」で歴史に名を刻んだ、プリンセス御用達

  • 3

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...すごすぎる日焼けあとが「痛そう」「ひどい」と話題に

  • 4

    「自閉症をポジティブに語ろう」の風潮はつらい...母…

  • 5

    1日のうち「立つ」と「座る」どっちが多いと健康的?…

  • 6

    ウクライナ「水上ドローン」が、ロシア黒海艦隊の「…

  • 7

    ヘンリー王子とメーガン妃の「ナイジェリア旅行」...…

  • 8

    「娘を見て!」「ひどい母親」 ケリー・ピケ、自分の…

  • 9

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 10

    中国海外留学生「借金踏み倒し=愛国活動」のありえ…

  • 1

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 2

    キャサリン妃「お気に入りブランド」廃業の衝撃...「肖像画ドレス」で歴史に名を刻んだ、プリンセス御用達

  • 3

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 4

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像を…

  • 5

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 6

    仕事量も給料も減らさない「週4勤務」移行、アメリカ…

  • 7

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 8

    都知事選の候補者は東京の2つの課題から逃げるな

  • 9

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 10

    「自閉症をポジティブに語ろう」の風潮はつらい...母…

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中