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IMF、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化で改めてリスク指摘

2023年02月13日(月)08時56分

2月10日、国際通貨基金(IMF)は、エルサルバドルへの「4条協議」に基づく代表団訪問を終えた後の声明で、同国による仮想通貨(暗号資産)ビットコインの法定通貨採用に伴うリスクを改めて指摘した。写真は2021年11月、エルサルバドル・チルティウパンの街頭に置かれたビットコインのマーク(2023年 ロイター/Jose Cabezas)

[10日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は10日、エルサルバドルへの「4条協議」に基づく代表団訪問を終えた後の声明で、同国による仮想通貨(暗号資産)ビットコインの法定通貨採用に伴うリスクを改めて指摘した。

IMFは「法的リスク、財務面の脆弱性、仮想通貨市場の投機的な性格を踏まえると、エルサルバドル当局はビットコインに対する政府のエクスポージャーを拡大する方針を見直すべきだ」と提言した。

さらにIMFは「今のところビットコインの使用が限られているためにリスクは顕現化していない」としつつも、法定通貨化と仮想通貨の普及促進を目指す新たな法的措置の導入でビットコインの利用は今後増大する可能性があるとの見方を示した。

エルサルバドル議会は先月、政府と民間機関の双方によるデジタル資産発行に関する規制の枠組みを定めた法令を承認。ブケレ大統領は、財務省がビットコインを毎日購入すると表明している。

ロイターの計算に基づくと、こうした購入が実現すれば、政府は約1億0640万ドルで2470近いビットコインを保有することになるが、これらのビットコインの時価評価は5220万ドルなので50%を超える損失を被ってしまう。

ただ政府はビットコイン購入や保有、保管先などの情報は開示していない。

IMFは「政府のビットコイン取引と公式の電子ウォレット『チボ』の財務状況の透明性を高めることが引き続き重要だ」と訴えた。

ロイター
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