ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=景気懸念で急反落、決算嫌気しターゲット急落

2022年05月19日(木)10時18分

5月18日、米国株式市場は大幅安。四半期利益が半減した小売大手ターゲットが売り込まれ、時価総額の約25%を消失した。写真は5月13日、ニューヨーク証券取引所で撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)

[18日 ロイター] - 米国株式市場は急反落して取引を終えた。四半期利益が半減した小売大手ターゲットが売り込まれ、時価総額の約25%を消失。米経済を巡る懸念が強まった。

S&P総合500種とダウ工業株30種の下げは2020年6月以来の大きさとなった。

ターゲットの第1・四半期(2─4月)決算は、純利益が前年同期比52%減の10億1000万ドル。燃料価格の高騰や輸送関連コスト増が重しとなった。株価は約25%急落し、1987年10月の「ブラックマンデー」以来の大幅な下げを記録した。

前日にはウォルマートも利益見通しを下方修正していた。SPDR・S&PリテールETF(上場投資信託)は約8%安で引けた。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートの世界市場戦略責任者、ポール・クリストファー氏は「物価上昇が賃金の伸びを上回る状況が予想より長期化する中、消費に影響が生じつつあることがきょうの売りにつながった」と指摘。「小売企業は消費者の購買力低下による影響を明らかにし始めている」と述べた。

金利に敏感な大型成長株も売られ、S&P500とナスダック総合を圧迫。アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、テスラは約7%安、アップルは5.6%安となった。

S&P500の主要11業種全てが下落し、一般消費財と主要消費財がともに6%超の大幅安となった。

成長株への売りに押され、S&P500は年初から約18%、ナスダックは約27%、それぞれ下落している。情報会社リフィニティブのデータによると、S&P500の予想PER(株価収益率)は約17倍と、新型コロナウイルス感染拡大を受けた20年の下落時以来の低水準となっている。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX)は約31に上昇。前日までは6営業日連続で低下していた。

米取引所の合算出来高は125億株。直近20営業日の平均は134億株。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を5.09対1の比率で上回った。ナスダックでも3.52対1で値下がり銘柄数が多かった。

*動画を付けて再送します。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 31490.07 -1,164.52 -3.57 32468.67 32468.67 31393.95

前営業日終値 32654.59

ナスダック総合 11418.15 -566.37 -4.73 11790.68 11826.22 11381.69

前営業日終値 11984.52

S&P総合500種 3923.68 -165.17 -4.04 4051.98 4051.98 3911.91

前営業日終値 4088.85

ダウ輸送株20種 13691.66 -1,096.25 -7.41

ダウ公共株15種 991.68 -9.94 -0.99

フィラデルフィア半導体 2907.96 -158.54 -5.17

VIX指数 30.96 +4.86 +18.62

S&P一般消費財 1114.57 -78.73 -6.60

S&P素材 514.75 -16.88 -3.17

S&P工業 772.70 -30.13 -3.75

S&P主要消費財 745.55 -50.81 -6.38

S&P金融 550.98 -15.86 -2.80

S&P不動産 262.22 -7.96 -2.95

S&Pエネルギー 618.02 -17.48 -2.75

S&Pヘルスケア 1488.88 -39.70 -2.60

S&P通信サービス 195.36 -6.89 -3.41

S&P情報技術 2307.39 -114.84 -4.74

S&P公益事業 362.64 -3.77 -1.03

NYSE出来高 11.95億株

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 26310 - 550 大阪比

シカゴ日経先物6月限 円建て 26295 - 565 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪BHP、英アングロへの買収提案の改善検討=関係筋

ビジネス

円が対ドルで5円上昇、介入観測 神田財務官「ノーコ

ビジネス

神田財務官、為替介入観測に「いまはノーコメント」

ワールド

北朝鮮が米国批判、ウクライナへの長距離ミサイル供与
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中