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ゴールドマン第4四半期は13%減益、トレーディング低調 株価下落

2022年01月19日(水)07時58分

米ゴールドマン・サックスが18日に発表した第4・四半期(12月31日まで)決算は利益が約13%減少し、市場予想を下回った。2021年11月撮影(2022年 ロイター/Andrew Kelly)

[18日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスが18日に発表した第4・四半期(12月31日まで)決算は利益が約13%減少し、市場予想を下回った。投資銀行部門は好調だったものの、株価変動が乏しくトレーディング事業が悪化したほか費用が増加した。これを受け株価は一時8%下落した。

トレーディング事業を含むグローバル・マーケッツ部門の収入は7%減の約40億ドル。グローバル・マーケッツ部門は総収入のおよそ3分の1を占める。

ビオラ・リスク・アドバイザーズのアナリスト、デビッド・ヘンドラー氏は「ゴールドマン・サックスは、素晴らしい記録的な年だったが、第4・四半期はドスンと落ちた」と述べた。

株式引受収入が8%減。株式売出しに伴う収入が減少した。

債券トレーディング収入は18億6000万ドルとほぼ変わらずだったが、株式トレーディング収入が11%減少した。グローバル・マーケッツ部門の収入は前四半期比で29%減少した。

一方、投資銀行部門の収入は45%増の38億ドル。アドバイザリー手数料などが増加した。

普通株主に帰属する純利益は38億1000万ドルと、前年同期の43億6000万ドルから減少した。

1株利益は前年同期の12.08ドルから10.81ドルに減少。市場予想は11.76ドルだった。

総収入は8%増の126億4000万ドル。投資銀行部門とコンシューマー・アンド・ウェルスマネジメント部門がけん引した。特に傘下のコンシューマー・バンキング部門「マーカス」が好調で、クレジットカードと預金残高の増加が寄与し8%増収となった。

一方、賃金上昇と投資コストが利益を圧迫した。営業費用は23%増加。賃金と福利厚生費が大幅に増加した。

訴訟に関する引当金計上などを含め特別費用が4億3200万ドル増加したことも重しとなった。

オッペンハイマーのアナリストは「最も顕著かつ驚くべきことは賃金に関する比率が前四半期の23.3%から25.7%に上昇したことだ。われわれは21%に低下すると見込んでいた」と指摘。「第3・四半期から第4・四半期にかけてこの比率が上昇したのは、カバレッジを開始してから初めてだ」とした。

ゴールドマンは伝統的に最も報酬の高い銀行の一つ。

デニス・コールマン最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け電話会見で、「当社の方針は引き続き業績に応じた報酬を支払うことであり、競争の激しい労働環境の中で優秀な人材に報いることを約束している」と述べた。

通期では、ゴールドマンの報酬比率は前年より200ベーシスポイント低い30%となった。

ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)はアナリストに対し、投資銀行部門は2022年も堅調に推移しそうだと指摘。また、顧客のトレーディング活動に関し、昨年が異例であったことを認めた上で、22年には例年以上に市場のボラティリティーが高くなると予想した。

ロイター
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