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BNPパリバ、傘下の米銀売却模索=関係者

2021年11月16日(火)09時29分

仏銀行大手BNPパリバは、傘下の米バンク・オブ・ザ・ウエストの売却に向けてアドバイザーと具体的な作業に入っている。より規模が大きく資本力のあるライバルとの競争に苦戦を強いられている米リテール銀行市場から撤退を図る考えだ。写真は2019年10月撮影(2021年 ロイター/Regis Duvignau)

[ロンドン 15日 ロイター] - 仏銀行大手BNPパリバは、傘下の米バンク・オブ・ザ・ウエストの売却に向けてアドバイザーと具体的な作業に入っている。より規模が大きく資本力のあるライバルとの競争に苦戦を強いられている米リテール銀行市場から撤退を図る考えだ。複数の関係者がロイターに明かした。

3人の関係者の話では、売却が実現すれば取引額は約150億ドルに上る可能性がある。既にJPモルガンとゴールドマン・サックスが売却に向けた準備を進めており、BNPパリバと緊密に連絡しながら買い手候補を探している。ただまだ話し合いは初期の段階で、取引が成立するかどうかは不確定だ。

関係者の1人によると、JPモルガンがまず夏場にBNPからアドバイザーに選定された。JPモルガンは最近、スペインの大手銀BBVAが米国事業を米地銀大手PNCに116億ドルで売却した案件に関与しており、BNPはこの再現を期待している。

BNPからコメントは得られず、JPモルガンとゴールドマンはコメントを拒否した。

バンク・オブ・ザ・ウエストは6月末時点の総資産が992億ドルで、BNPの欧州域外で最大の事業資産。カリフォルニア州を中心に米西部と中西部の19州にリテール拠点を展開し、147年の歴史がある。個人や零細企業などにサービスを提供しており、農業関連ビジネス向け融資などに強みを持つ。BNPは1979年にこれを買収し、現地子会社と統合した。

一方欧州では2008年の金融危機以降、域内銀行が収益力や規模の面で米国勢と中国勢に対して劣勢にある中で、欧州中央銀行(ECB)が音頭を取る形で再編気運が高まっており、BNPとしてはバンク・オブ・ザ・ウエストを売却できれば、その資金を欧州で活用できる。

もっとも関係者は、売却を成功させるには幾つか課題があると指摘する。バイデン米大統領が、銀行合併に対する監視の目を強めるよう当局に要請している点が1つ。さらに規制当局の一角を占める米連邦準備理事会(FRB)は、クオールズ銀行監督担当副議長が退任し、パウエル議長が再任されるかどうか不透明な状況で、こうした人事上の問題から大型の銀行買収承認が凍結される恐れがあるとの声が出ている。

関係者は「BNPは規制上の承認を勝ち取るために一生懸命動いてくれるパートナーを見つけ出さなければならない」と述べた。

ロイター
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