ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(7日)ドル小幅高、株式小動き

2021年04月08日(木)07時17分

[7日 ロイター] -

<為替> 不安定な展開となる中、ドルが主要通貨バスケットに対し小幅高。米連邦準備理事会(FRB)が7日に公表した3月16─17日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨からは、景気回復が十分に根付くまで支援を継続する方針が示された。

FRBは、経済が改善しているものの目標達成に程遠いほか、新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きはなお「極めて不確実」という認識で一致。FRBが支援策の引き揚げを検討できるほど状況が改善するまで「しばらく時間がかかる」と指摘した。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.117%高の92.414。一時92.134まで下落する場面もあった。

ドル指数が3月に2.5%値上がりしたことから利益確定の動きも出ており、ドル売りの動きが再開する可能性があるとの見方も台頭している。

ユーロ/ドルは好調なユーロ圏指標を手掛かりに一時上昇したものの、その後は小安く推移。

3月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)は53.2と前月の48.8から上昇し、好不況の分かれ目となる50を回復した。

豪ドル、ニュージーランドドルは対米ドルで0.74─0.75%下落。カナダドルも対米ドルで下落した。カナダは新型コロナ感染第3波に見舞われている。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りがおおむね低下。FOMC議事要旨はハト派な内容となり、低金利が当面続くとの見方を後押しした。

3月16─17日の議事要旨によると、経済は改善しているものの、FRBが見据える目標の達成には程遠いほか、新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きはなお「極めて不確実」という認識で一致。さらにFRBが支援策の引き揚げを検討できるほど状況が改善するまで「しばらく時間がかかる」と指摘した。

BMOキャピタルマーケッツの米金利戦略部長、イアン・リンゲン氏は、「しばらくの時間」がどの程度を意味するかが最大の疑問だが、「緩和のテーパリング(段階的縮小)や正常化を示唆するものがなかったことは最大の収穫だ」と述べた。

議事要旨ではさらに、基調的なインフレ圧力が依然として弱く、1月までの消費者物価指数(CPI)の伸びは2%を大幅に下回っていると指摘。インフレ率が長期的に平均2%となり、長期的な期待インフレ率も同様の水準にしっかりと固定されるよう、しばらくの間は2%を適度に上回るインフレ率の達成を目指すと表明した。

これについてリンゲン氏は、FRBがインフレカーブに遅れを取るリスクを厭わないことを示すものであり、明らかに過去の行動とは異なる」と分析した。

10年債利回りは1.656%とほぼ変わらず。一時2週ぶりの低水準を付けた。30年債利回りは2.34%に小幅上昇。5年債利回りは0.857%に低下した。5年債の動きについて市場では、FRBが予想よりも早く利上げに踏み切らないとの見方を反映したものとみられている。5年債と30年債の利回り格差は148ベーシスポイント(bp)に拡大した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> ほぼ横ばいで推移していたが、午後に公表されたFOMC議事要旨で利上げ着手まで忍耐強く対応するとの姿勢が改めて確認され、S&P総合500種が上向いた。

FRBが公表した3月16─17日のFOMC議事要旨によると、経済は改善しているもののFRBが見据える目標の達成には程遠いほか、新型コロナウイルスによるリスクが根強く、先行きはなお「極めて不確実」という認識で一致した。また、FRBが支援策の引き揚げを検討できるほど状況が改善するまでには「しばらく時間がかかる」と指摘した。

市場関係者の間では、FRBが長期にわたり利上げを先送りするか懐疑的な見方が多い。ナショナル証券のチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「議事要旨から新たな手掛かりが得られるとみていたが、間違いだった」と語った。

年初来で見ると、景気に敏感な素材や工業などバリュー(割安)株がハイテクなどのグロース株をリードしているものの、欧州などで新型コロナウイルスの行動制限が再び強化される中、ここ数日はハイテク株に買いが戻り、バリュー相場の持続性に不透明感が生じている。

この日の取引ではグロース株が0.28%上昇し、0.16%安となったバリュー株をアウトパフォームした。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> FOMC議事要旨の公表を前に利益確定の売りが優勢となり、 5営業日ぶりに反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比1.40ドル (0.08%)安の1オンス=1741.60ドル。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 利益確定の売りやガソリン在庫の大幅積み増しを嫌気した売りが一巡し、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前日比0.44ドル(0.74%)高の1バレル=59.77ドル。6月物は0.44ドル高の59.81ドル。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 109.84/109.87

始値 109.74

高値 109.93

安値 109.61

ユーロ/ドル NY終値 1.1870/1.1874

始値 1.1892

高値 1.1914

安値 1.1862

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 89*17.50 2.3651%

前営業日終値 90*17.00 2.3160%

10年債(指標銘柄) 17時05分 94*31.50 1.6792%

前営業日終値 95*06.00 1.6560%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*12.75 0.8738%

前営業日終値 99*13.00 0.8720%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.13 0.1547%

前営業日終値 99*29.75 0.1610%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33446.26 +16.02 +0.05

前営業日終値 33430.24

ナスダック総合 13688.84 -9.54 -0.07

前営業日終値 13698.38

S&P総合500種 4079.95 +6.01 +0.15

前営業日終値 4073.94

COMEX金 6月限 1741.6 ‐1.4

前営業日終値 1743.0

COMEX銀 5月限 2524.7 +2.0

前営業日終値 2522.7

北海ブレント 6月限 63.16 +0.42

前営業日終値 62.74

米WTI先物 5月限 59.77 +0.44

前営業日終値 59.33

CRB商品指数 186.3077 +0.4684

前営業日終値 185.8393

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=まちまち、ダウ最高値更新 ハイテク株

ビジネス

NY外為市場=円が対ドルで一時155円台、9カ月ぶ

ワールド

米国債入札を段階的に調整、安定維持図る=財務長官

ワールド

中国、フェンタニル前駆体の阻止巡り合意=米FBI長
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 3
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中