ニュース速報

ビジネス

財新の中国製造業PMI、3月は約1年ぶり低水準 コスト上昇注視

2021年04月01日(木)12時17分

 4月1日、財新/マークイットが1日発表した3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6と、2月の50.9から低下し、昨年4月以来およそ1年ぶりの低水準となった。上海の工場で2020年1月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

[北京 1日 ロイター] - 財新/マークイットが1日発表した3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6と、2月の50.9から低下し、昨年4月以来およそ1年ぶりの低水準となった。

内需が全体として軟調だったことが響いた。投入・産出コストの上昇圧力も強まったが、経済の基礎的条件がなお堅調であることも示された。

アナリストは51.3への上昇を予想していた。景況改善・悪化の分岐点となる50は上回った。

中国国家統計局が前日発表した3月のPMIは前月から上昇し、3カ月ぶりの高水準を記録しており、財新の統計は対照的な結果となった。

統計局が発表するPMIの対象が大企業や国有企業を中心としているのに対し、財新のPMIは小規模で輸出主導型の民間企業を主な対象としている。

新型コロナウイルス感染拡大に関連したサプライチェーンの問題は緩和しているものの、財新の統計では投入コスト指数が40カ月ぶりの高水準となった。

中国では2月の生産者物価指数(PPI)も2018年11月以来の大幅な上昇率を記録している。

財新インサイト・グループのシニアエコノミスト、王哲氏は「投入・産出コストの指標は数カ月上昇しており、今後のインフレを注視すべきだ」と指摘。「インフレ圧力の高まりは将来の政策余地を狭め、コロナ後の景気回復維持には好ましくない」と述べた。

一方、財新の統計では新規輸出受注が50を再び上回るなど、明るい材料も見られた。新型コロナのワクチン接種が進む中、外需が改善している。

雇用は4カ月連続で減少したが、小幅にとどまった。

向こう1年間の事業見通しについても、コロナ禍終息や外需回復への期待、能力拡張計画を背景に楽観的な見方を維持した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

内外の諸課題に全力で取り組むことに専念=衆院解散問

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 6

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中