ニュース速報

ビジネス

統合地銀への「資金交付制度」創設を明記=経済対策で政府筋

2020年12月04日(金)14時33分

 12月4日、政府は、新たな経済対策で、合併や経営統合を柱とする経営基盤強化に踏み切った地域金融機関に対する「資金交付制度」を創設する方針を固めた。写真は都内で2013年2月撮影(2020年 ロイター/Shohei Miyano)

[東京 4日 ロイター] - 政府は、新たな経済対策で、合併や経営統合を柱とする経営基盤強化に踏み切った地域金融機関に対する「資金交付制度」を創設する方針を固めた。複数の政府筋が明らかにした。コロナ後のデジタル化や地方創生を念頭に、銀行の業務範囲規制を見直すことも併せて盛り込み、8日に閣議決定する。

システム統合に伴う初期費用の一部を資金交付制度で補助し、地銀の経営基盤強化を後押しする。制度創設に伴い来年の通常国会に金融機能強化法改正案を提出し、来年夏からの適用を目指す。日銀が導入する地域金融機関のための特別当座預金制度と併せ、人口減少地域などの金融機能を強化する狙いもある。

経済対策では、コロナ禍の危機感を政府・日銀とで共有し、「財政政策と金融政策の適切なポリシーミックスの下で緊密に連携する」と明記。経済水準がコロナ前を下回る現状に「デフレへの後戻りを避けるためにも力強い経済対策を講じる」との姿勢を打ち出す。

企業の資金繰り支援では、民間金融機関の実質無利子・無担保融資を来年3月まで延長するほか、日本政策金融公庫の実質無利子・無担保融資を来年前半まで継続することも明記した。

観光需要喚起策GoToトラベルは「制度を段階的に見直しながら延長し、(来年)6月末までを基本の想定としつつ、感染状況を踏まえ柔軟に対応する」とした。イート事業は6月末を期限とした食事券についてプレミアムを引き下げて追加発行する方針だ。

事業規模15兆円の国土強靭化計画では2020年度3次補正予算案で初年度分を計上するほか、研究基盤強化に向け創設する大学ファンドを「世界に伍する規模」とすることも盛り込んだ。

(山口貴也)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米サステナブルファンド、1─3月は過去最大の資金流

ビジネス

北京市、国産AIチップ購入を支援へ 27年までに完

ビジネス

デンソー、今期営業利益予想は87%増 合理化など寄

ビジネス

S&P、ボーイングの格付け見通し引き下げ ジャンク
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中