欧州市場サマリー（1日）

［１日　ロイター］ - ＜ロンドン株式市場＞　反発して取引を終えた。中型株で構成するＦＴＳＥ２５０種指数とともに約３週間ぶりの大幅高となった。中国の好調な製造業統計を受け世界経済の回復に関する前向きな見方が高まった。

中国の１１月の製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ）は１０年ぶりの高水準を付けた。英国の１１月の製造業ＰＭＩは３年近くぶりの高水準だった。

中国の好調な統計を受け、アジア事業が大きい銀行株が買われた。ＦＴＳＥ３５０種銀行株指数は５．６１％上昇した。英国の欧州連合（ＥＵ）離脱交渉も注視されている。英政府高官はこの日、通商協定で合意できずに英国の離脱が混乱する可能性は依然として残っていると指摘した。

英国の１１月の住宅価格は６年近くぶりの大幅な伸びとなり、住宅建設株指数を１．８５％押し上げた。

＜欧州株式市場＞　反発して取引を終えた。新型コロナウイルスワクチンに関する前向きな見方から経済回復への期待が高まった。

米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ医薬ベンチャー、ビオンテックは１日、共同で開発する新型コロナワクチンの緊急使用許可を欧州連合（ＥＵ）当局に申請した。米バイオ医薬品大手モデルナも同じ日にワクチンの緊急使用許可をＥＵ当局に申請すると述べた。

株価は広範にわたり上昇した。ＳＴＯＸＸ欧州６００種資源株指数は３．２３％上昇。中国製造業購買担当者景気指数（ＰＭＩ）が好調だったことで銅と鉄鉱石の価格が上がり、資源株の買い材料となった。

欧州各国で引き続き、新型コロナの感染拡大を抑えるための封鎖措置による景気への打撃が見られている。フランスとドイツの製造業ＰＭＩはともに前月から低下した。

イタリアの銀行大手ウニクレディトは８．０％下落し、３月以来の大幅安となった。ムスティエ最高経営責任者（ＣＥＯ）が、役員らと意見相違を理由に来年４月に退任すると表明したことが嫌気された。

＜ユーロ圏債券＞　リスク選好度の改善を背景に国債が売られ、利回りが上昇した。

この日は米議会で超党派議員が総額９０８０億ドルの新型コロナウイルス追加経済対策を提案。来年３月末までの支援策の財源となる。米追加支援が策定されれば景気回復が加速するとの観測から、資金は安全資産とされる国債から株式などのリスク資産に流入。ユーロ圏債券市場でも国債に売りが出た。

独１０年債利回りは一時約５ベーシスポイント（ｂｐ）上昇のマイナス０．５１９％、イタリア１０年債利回りは約６ｂｐ上昇の０．６４％。ともに約２週間ぶりの高水準を付けた。

ポルトガル１０年債とスペイン１０年債の利回りはともに約５ｂｐ上昇した。

欧州連合（ＥＵ）統計局が発表した１１月のユーロ圏消費者物価指数（ＨＩＣＰ）速報値は前年比０．３％低下。エネルギー価格の大幅下落が響き、４カ月連続の低下となった。

ＩＮＧのユーロ圏担当シニアエコノミスト、バート・コリン氏は、ＥＣＢが来週発表する経済見通しでインフレ予測を下方修正すると予想。「ＥＣＢは次回理事会で確実に緩和策を決定する」と述べた。

＜為替＞ 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ／ドル　　　 1.2036 1.1967

ドル／円 104.39 104.32

ユーロ／円 125.66 124.86

＜株式指数＞ 終値 前日比 ％ 前営業日終値 コード

ＳＴＯＸＸ欧州６００種 391.90 +2.54 +0.65 389.36

ＦＴＳＥユーロファースト３００種 1513.57 +9.96 +0.66 1503.61

ユーロＳＴＯＸＸ５０種 3525.24 +32.70 +0.94 3492.54

ＦＴＳＥ１００種 6384.73 +118.54 +1.89 6266.19

クセトラＤＡＸ 13382.30 +91.14 +0.69 13291.16

ＣＡＣ４０種 5581.64 +63.09 +1.14 5518.55

＜金現物＞ 午後 コード

値決め 1762.55

＜金利・債券＞

米東部時間13時48分

＊先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード

３カ月物ユーロ 100.53 0.00 100.53

独連邦債２年物 112.28 -0.05 112.33

独連邦債５年物 135.19 -0.21 135.40

独連邦債１０年物 174.56 -0.69 175.25

独連邦債３０年物 224.00 -2.52 226.52

＊現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード

独連邦債２年物 -0.718 +0.027 -0.744

独連邦債５年物 -0.716 +0.036 -0.752

独連邦債１０年物 -0.519 +0.044 -0.569

独連邦債３０年物 -0.109 +0.052 -0.166