ニュース速報

ビジネス

金融・財政支援継続を、回復「K字型」=ブレイナードFRB理事

2020年10月22日(木)00時17分

米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は21日、新型コロナウイルス禍からの初期段階の景気回復は「心強い」が一様でないとした上で、広範で持続可能な回復を確実にするためにもFRBや政府による支援の継続が必要になると強調した。マサチューセッツ州ケンブリッジで2017年3月撮影(2020年 ロイター/Brian Snyder)

[21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事は21日、新型コロナウイルス禍からの初期段階の景気回復は「心強い」が一様でないとした上で、広範で持続可能な回復を確実にするためにもFRBや政府による支援の継続が必要になると強調した。

プロフェッショナル・エコノミスト協会のオンライン会議で、表向きには全般的な経済成長が見られるものの、その背後で部門や国民間の格差が広がっており、こうした格差が景気回復を損ねる恐れがあると警告した。

FRBが経済に「持続的な緩和」を必要な限り提供すると約束しても、政府からの財政支援が滞れば経済見通しに最大限のリスクが及ぶとし、「金融政策からの強力な支援と目標を絞った追加的な財政支援を組み合わせることで、K字型(二極化)の回復を広範かつ包括的な回復に変えることができる」と述べた。

また「財政支援を早期に撤回すれば、景気後退の力学が定着し、雇用と支出を抑制するほか、失業の長期化に伴う傷跡が広がり、より多くの企業が閉鎖に追い込まれ、最終的には生産能力に悪影響を及ぼす恐れがある」とした。

FRBは数年かけて金利を現在のゼロ近辺に維持するだけでなく、解除後も緩やかにしか利上げせず、経済成長を刺激するような水準にとどめると強調。資産購入プログラムが金利に関するフォワードガイダンスとの組み合わせでどのように機能するのが最善なのか、今後数カ月の間に明確にする機会が訪れると述べた。

11月の米大統領選結果を巡り混乱が起きた場合のリスクに関する質問には直接の回答を避け、FRBが広範な監視や既存の対策を通じて金融の安定を確保できるとした。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRBが0.25%利下げ、6会合ぶり 雇用弱含みで

ビジネス

〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の会見要旨

ビジネス

FRB、年内0.5%追加利下げ見込む 幅広い意見相

ビジネス

FRB独立性侵害なら「深刻な影響」、独連銀総裁が警
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 8
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中