ニュース速報

ビジネス

欧州市場サマリー(14日)

2020年01月15日(水)07時38分

[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 小幅に続伸して取引を終えた。投資家は翌日に予定されている「第1段階」の米中通商合意署名に注目している。

中国の関係筋はこの日、中国が米国の自動車と航空機、エネルギー製品の購入を増やすと述べた。また、米国は中国の「為替操作国」への指定を解除した。[nL4N29J1JW][nL4N29I46P]

住宅建設のテイラー・ウィンペイは3.9%上昇。英政府による住宅購入支援計画が追い風となり2019年に受注が22%増えたことが好感された。

ロンドンの新興企業向け株式市場、AIMに上場するオンラインファッション販売のブーフーは4.9%上昇し、過去最高値を付けた。クリスマス商戦の業績が好調だったほか、通期の業績見通しを引き上げたことが買い材料となった。

一方、賭け業者のフラッター・エンターテイメントとウィリアム・ヒルは1.2%と2.5%それぞれ下落した。賭け事におけるクレジットカードの使用を禁止した英政府の新規制が売り材料だった。政府は消費者の過剰債務を防ぐ狙いだ。

金生産会社センタミンは7.0%下落。カナダの同業エンデバー・マイニングがセンタミンに対する買収提案を撤回したことが嫌気された。

<欧州株式市場> まちまちで取引を終えた。高級ブランド銘柄や住宅建設のテイラー・ウィンペイが上昇する一方、石油株は値を下げた。

投資家は翌日に予定されている「第1段階」の米中通商合意の署名に注目している。18カ月間にわたり市場を惑わしてきた米中貿易摩擦の終結に向けた第一歩となる。

OANDAのアナリスト、クレイグ・アーラム氏は「合意内容の詳細を待っている。詳細を見て、持続可能性や効果を見極める。市場は待っている段階だ」と述べた。

TSロンバードの戦略責任者アンドレア・チッチョーネ氏は、第2段階の交渉を巡る時期や、見込まれる合意内容などについて何らかのヒントがあれば、それが最も重要な注目点だと語った。

UBSが高級ブランド部門について、消費者信頼感が過去最高水準にあり、合併・買収(M&A)観測が続く中、2020年も忙しくなるとの見方を示したことで同部門が値上がりした。フランスの高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は1.0%上昇し過去最高値を付けた。

テイラー・ウィンペイは3.9%高だった。19年の受注が22%増えたほか、20年について前向きな見通しを示したことが好感された。

一方、STOXX欧州600種石油・ガス株指数<.SXEP>は0.37%下落した。投資判断の引き下げが嫌気された石油開発大手タロー・オイルは5.0%安だった。英石油大手BPは0.2%下落。ベレンバーグが増配は20年下半期まで待つ必要があるだろうという見方を示したことが売り材料だった。

<ユーロ圏債券> 国債利回りが小幅低下。前日は米中貿易摩擦の緩和期待から利回りが上昇していたが、この日はポジション調整の動きが見られたという。

米財務省は13日、貿易相手国・地域の通貨政策を分析した外国為替報告書を公表し、中国の「為替操作国」認定を解除したと表明。中国は競争的通貨切り下げ抑制に向けた実行可能な取り組みを約束し、第1段階通商合意の一環として為替相場と対外収支の関連情報開示で合意したと説明した。[nL4N29I46P]

市場では、米中貿易摩擦の緩和に加えユーロ圏経済への前向きな見方などから、債券相場は当面、軟調地合いが継続すると予想されている。

みずほの金利戦略部長、ピーター・チャットウエル氏は「欧州国債への需要が一定程度見られたのは事実だが、向こう6週間では軟調地合いが見込まれる。経済指標はわずかながら改善しており、こうした流れを背景に国債よりも信用スプレッドに絡む買いが選好されると思う」と述べた。

当局者発言では、欧州中央銀行(ECB)のメルシュ専務理事が14日、昨年大きく落ち込んだユーロ圏の成長とインフレは安定化しつつあるとの認識を示し、これまでの緩和措置は正しかったと主張した。[nL4N29J2LK]

ドイツ10年債利回りは約2ベーシスポイント(bp)低下しマイナス0.21%。一時マイナス0.188%と2週間ぶりの高水準を付けた。フランス10年債利回りやイタリア10年債利回りも約1ー2bp低下した。

こうした中、スペインでは、サンチェス新内閣の発足後初となるシンジケートを通じた10年債の売却で、予定額の100億ユーロに対し応募額が530億ユーロを超え、過去最高を記録した。利回りは0.525%。この日の流通市場で、スペイン10年債利回りは0.483%近辺で推移した。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1128 1.1140

ドル/円 110.04 109.96

ユーロ/円 122.47 122.52

<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード

STOXX欧州600種 419.59 +1.20 +0.29 418.39 <.STOXX>

FTSEユーロファースト300種 1639.51 +3.86 +0.24 1635.65 <.FTEU3>

ユーロSTOXX50種 3774.88 -4.80 -0.13 3779.68 <.STOXX50E>

FTSE100種 7622.35 +4.75 +0.06 7617.60 <.FTSE>

クセトラDAX 13456.4 +4.97 +0.04 13451.52 <.GDAXI>

9

CAC40種 6040.89 +4.75 +0.08 6036.14 <.FCHI>

<金現物> 午後 コード

値決め 1545.1

>

<金利・債券>

米東部時間13時48分

*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード

3カ月物ユーロ 100.39 0.00 100.39

独連邦債2年物 111.90 0.00 111.90

独連邦債5年物 133.77 +0.05 133.72

独連邦債10年物 171.01 +0.25 170.76

独連邦債30年物 199.26 +1.02 198.24

*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード

独連邦債2年物 -0.580 +0.003 -0.585

独連邦債5年物 -0.486 -0.004 -0.480

独連邦債10年物 -0.212 -0.015 -0.194

独連邦債30年物 0.344 -0.020 0.367

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルが158円台乗せ、日銀の現状維持

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型グロース株高い

ビジネス

米PCE価格指数、インフレ率の緩やかな上昇示す 個

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中