ニュース速報

ビジネス

日銀、国債買い入れ量の説明に改善余地=古沢IMF副専務理事

2018年04月23日(月)07時11分

 4月21日、国際通貨基金(IMF)の古沢満宏・副専務理事(写真)は、ロイターとのインタビューに応じ、日銀の金融政策を支持するが、国債買い入れに関する市場への説明で改善の余地があるとの見解を示した。2017年5月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[ワシントン/東京 22日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の古沢満宏・副専務理事(元財務官)は21日(現時時間)、ロイターとのインタビューに応じ、日銀の金融政策を支持するが、国債買い入れに関する市場への説明で改善の余地があるとの見解を示した。

古沢氏は「今の日銀の政策姿勢をIMFは支持している。引き続き緩和的なスタンスを取るべきだ」と評価した。その上で「量的な部分で(国債買い入れについて示している目途と)実際買っている額が違うので、日銀の本当の意図がどこにあるのか、市場がわからなくなるような部分があるのかもしれない。コミュニケーションをきちんと取っていくということの重要性は日銀も認識しているだろう」と述べた。「年間80兆円」国債保有を増やすと発信しつつ、年率換算40━50兆円の買い入れにとどめている現状について、改善余地があるとの見解を示した格好だ。

通商を巡り二国間交渉にこだわる米国と他国との溝が深まっているが、「貿易や不均衡の話はバイ(二国間)だけで解決できない。当然、大きな枠組みの中で解決していった方が効率的だと思う」との見解を示した。また「貿易の交渉は時間がかかる。その間に不確定な状況が続くので、モノの移動だけでなく投資・消費やセンチメント全体への影響はある」との懸念も示した。もっとも、年初来米国の保護主義姿勢が材料視され金融市場で動揺がみられたが「マーケットはきちんと機能した。ファンダメンタルズは弱くない」と指摘した。

消費税について「できるだけ徐々に上げていき、大体15%くらいまで」とのIMF従来公式見解を繰り返した。「高齢化はずっと続き、社会保障費は増えていく安定財源が必要」として、負担軽減措置を一時的に動員してでも消費増税を実現するのが望ましいとの意見を述べた。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中