ニュース速報

ビジネス

米当局、仮想通貨に伴うリスク注視を=金融安定監督評議会

2017年12月15日(金)08時47分

 12月14日、米金融安定監督評議会(FSOC)は、各金融監督機関に対し、業界内の技術革新に伴うリスクを注視するよう求めた。8日撮影(2017年 ロイター/Dado Ruvic)

[ワシントン 14日 ロイター] - 米金融安定監督評議会(FSOC)は14日、各金融監督機関に対し、業界内の技術革新に伴うリスクを注視するよう求めた。ITと金融が融合した「フィンテック」やビットコインなどの仮想通貨が従来の金融サービスを阻害する恐れがあると警告した。

FSOCは「技術の新たな応用は阻害要因となる可能性があり、予測が困難なリスクや脆弱性を生じさせる恐れがある」としたうえで、当局に対し新たな商品やサービスの特定・調査を継続するよう求めた。

FSOCは金融システムのリスクに対応するために創設された機関で、金融監督当局のトップで構成されている。今回のコメントによって、当局がビットコインやネット銀行、ブロックチェーン(分散台帳)などの新規分野に監督権限を拡大させることを視野に入れていることがあらためて示された。

FSOCはサイバーセキュリティーに関する規則を強化することも提案し、金融監督当局にサードパーティーのサービスプロバイダーを監督する権限を与える法案を可決するよう議会に求めた。

トランプ大統領は経済成長を押し上げるため金融規制緩和を進める方針を掲げており、金融業界ではFSOCの動向が注目されている。

トランプ大統領就任後初めてとなった今回の年次報告書でFSOCは、将来の潜在的なリスクを監視しながら可能な分野で規制を緩和するよう各当局に求めた。

「金融監督当局は可能な分野で金融システムの強さを損なうことなく、引き続き規制の重複などに対処し、時代遅れの規制を見直すとともに、金融機関の規模や複雑さに応じて規制を調整する必要がある」とし、銀行の自己勘定取引を制限する「ボルカールール」について見直しを行うよう各当局に求めた。

FSOCはムニューシン財務長官がトップを務める。財務省は既に規制の見直しに関する提案を公表しており、ムニューシン長官はFSOCがこの取り組みを主導すべきだとしている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米貿易赤字、3月は0.1%減の694億ドル 輸出入

ワールド

ウクライナ戦争すぐに終結の公算小さい=米国家情報長

ワールド

ロシア、北朝鮮に石油精製品を輸出 制裁違反の規模か

ワールド

OPECプラス、減産延長の可能性 正式協議はまだ=
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中