ニュース速報

ビジネス

ドルやや上昇、インフレ動向に注目=NY市場

2017年10月17日(火)07時02分

 10月16日、ニューヨーク外為市場ではドルがやや上昇した。2月撮影(2017年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルがやや上昇した。この日は主要な米経済指標の発表がなく、前週13日発表の9月の米消費者物価指数(CPI)を受けた下落に対する調整が入った。

9月の米CPI統計では物価がなお抑制されていることが示され、ドルは13日の取引で約2週間ぶりの水準に下落。これに先立つ11日に米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月19-20日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレ率の上昇見通し、およびインフレ率が上昇しない場合の金利の道筋を巡り踏み込んだ討議が行われたことが明らかになっていた。

TD証券(トロント)の北米外為戦略部門責任者、マーク・マコーミック氏は、多くのマイナスのニュースが織り込まれたとし、「ポジション調整の動きが出ており、向こう1─2日間は続くとみられる」と指摘。その後は米国の低調な見通しに市場の注目が移る可能性があるとの見方を示した。

この日の取引で主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.22%上昇の93.287。前週13日はCPI統計発表直後に92.75と、9月26日以来の水準に低下していた。

こうしたなかイエレンFRB議長は15日、米経済は引き続き堅調との認識を示し、インフレは抑制されているものの、労働市場の強さを踏まえると段階的な利上げの継続が必要との見解を示した。

市場はFRBは12月会合で利上げを決定すると予想。ただ来年については、FRBは3回の利上げが実施されると示唆しているものの、市場の予想はこれほど強気ではなくなっている。前出のマコーミック氏は「米経済指標がプラスのサプライズとなる結果は増え始めているが、インフレ関連指標に関してはまだ世界の他の国をアンダーパフォームしている」としている。

この日は、来年任期が切れるイエレンFRB議長の後任候補としてトランプ米大統領がスタンフォード大学のジョン・テイラー教授に感銘を受けたとブルームバーグが報じたことでドルが上昇する場面もあった。テイラー教授はイエレン氏よりもタカ派的とみられている。

ユーロは軟調。15日実施のオーストリア国民議会(下院)選挙で難民・移民の受け入れ厳格化を訴える中道右派の国民党の第1党躍進がほぼ確実となり、次期首相に国民党を率いるセバスティアン・クルツ外相が就任する見通しとなったことが背景。

ドル/円 NY終値 112.18/112.20

始値 111.78

高値 112.28

安値 111.67

ユーロ/ドル NY終値 1.1795/1.1798

始値 1.1800

高値 1.1818

安値 1.1787

(表はロイターデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 5

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 6

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中