ニュース速報

ビジネス

クレジット資産に3年で2兆円、外貨建て事業債投資を拡大=住友生命

2017年04月25日(火)19時32分

 4月25日、住友生命保険は2017年度の資産運用計画で、今年度からの3年間にクレジット資産に累計2兆円投資する方針を示した。写真は2009年7月撮影(2017年 ロイター)

[東京 25日 ロイター] - 住友生命保険は25日、2017年度の資産運用計画で、今年度からの3年間にクレジット資産に累計2兆円投資する方針を示した。米保険子会社の目利き力を生かすことで、収益性の高い米社債を中心に外貨建て事業債への投資を拡大し、収益の上乗せを狙う。

<外貨建て事業債投資の体制整う>

同社は国内債券の代替投資として為替ヘッジ付き外国債券への投資を進めている。なかでも、米社債を中心に進めてきた外貨建て事業債投資の拡大を加速する考えだ。上席執行役員兼運用企画部長の松本巌氏は、3年間で国内外で累計2兆円の投資を計画している考えを示した。

米国の中堅生保シメトラ・ファイナンシャルを昨年に買収し、子会社化したことで、銘柄選別の目利き力を生かして計画的に投資する体制が整ってきたと判断した。

ヘッジコスト控除後の収益性が高い銘柄を選別するとし「格付けの高い銘柄なら1%ぐらいのスプレッドが乗る」(松本氏)という。シメトラと連携することで、銘柄分散を進める。外部委託を活用したファンドへの投資も検討する。

<ドル110円以下ならオープン投資検討も>

同社は、国内債券の代替投資として、為替ヘッジ付き外債投資を進めている。外債投資の16年度実績は1兆1700億円増。今年は「前年度の純増額より若干少ない」(松本氏)といい、1兆円程度を計画しているもようだ。

うち6─7割が米ドル建てとなる見通し。日米金利差の拡大によるドル高基調を予想しており、ドル安が進んだ局面を捉えて為替リスクをとるオープン外債投資を検討する。米社債などへのクレジット投資は、この4割程度を占める見込み。

松本氏は、米国債などでオープン投資を判断するドル/円の水準は、特定するのは難しいとしたが「110円から下は年度の想定レンジの下半分に当たり、(オープン投資を)検討していくことになる」と述べた。

ただ、クレジット資産への投資は「クレジットリスクをとる考えに基づき、すべてヘッジ付き」(松本氏)とした。

<日本国債の投資検討の開始は30年債利回りで1%超>

国内10年債利回りは、0.1%付近でほぼ変わらないと予想。超長期債への投資は引き続き抑制する。年末に向けてエネルギー価格の上昇などを受けて物価が上昇したとしても日銀の目標2%には届かず、緩和政策が継続されると見ている。

デュレーション長期化で国債の入れ替えを進めるが、残高はほぼ横ばいを見込む。日本国債の入れ替えめどは、30年債利回りで1%超えれば検討することになるという。

(平田紀之)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ナワリヌイ氏殺害、プーチン氏は命じず 米当局分析=

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われた、史上初の「ドッグファイト」動画を米軍が公開

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    美女モデルの人魚姫風「貝殻ドレス」、お腹の部分に…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 10

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中